2008年11月28日
ヘンな外人
つい4、5日前の事。
事務処理中のさわやかな朝。フロント普久原主任が困った顔で
「電話を変わってください。英語でまくし立てられて何を言われているのか解りません…。」
昔とったきねづか。我がB級ホテルが米軍御用達宿だった頃フロントの職員は英会話が必須科目だった。もちろん意思さえ通じればブロークンOKのコザエイゴ。
お陰で僕も、カタクチ単語並べ文法無視ブロークンイングリッシュで予約ぐらい取れる。
要は度胸! 英語なんてしょせん他国語。下手で何が悪い!
心に言い聞かせ受話器をとる。
「ハロー! あんたはオーナーか? あなたの親父さんを知っている。俺は昔コザに住んでいた。バリバリバラバラ…etc.」
確かに聴き取りにくく、こちらの反応を無視して話しかけてくる。
直感した!
酔っている!
強烈な早口のダミ声で声の質口調からして老人である事に間違いない。
あなたのホテルは今何室ぐらいで、ビジネスは好調か? コザの景気はどうだ?とか今の観光協会長はよく知っている。などと脈絡も関連性もない話を取りとめもなく続ける。
何の用だ?予約の電話なのだろうか? 国際電話ではないのか?電話代は大丈夫かな?
しかし、昔コザにいて死んだ親父を知っているらしい。邪険には出来ない。コザを懐かしんでいるのだ。忘れかけているブロークンイングリッシュのトレーニングにもなるしここはもう少しお相手してあげようと敬老精神を発揮する。
10分ほど経過。それでも話は終わらない。このまま永遠に続くのか。
「ところで今日はいったい何の御用で…」
さりげなく話題を振ってみた。するとヤンキーオジイは
「君の英語はウマい。アメリカの大学へ行ったのか?」
心をくすぐるではないか…。ブロークンにむかっていけしゃあしゃあと。
「独学だ」
さりげなく答えたが、気分が悪いはずはない。またまたヤンキーオジイのペースに巻き込まれてしばらく取りとめもない話が続く。
さらに5分ほど経過した。相手の電話代も気になる。そろそろ僕の英語のボキャブラリーも精神状態も限界点に近づきつつあったので、勇気を振り絞り
「私も今忙しいので用がなければ電話を切りたいのだが…」
と告げると、余りにもあっさりと
「OKわかった。じゃあな!楽しかった。」
と言って電話を切ってしまった。
いったいこの電話は何だったのであろうか? 聞きそびれたがどこからかけて来たのだろうか? アメリカからなら電話代も馬鹿にならないだろうに…。
と考えていたところへ普久原主任現る。
「助かりました。ありがとう御座います。しかし長時間いったい何の話で…?」
「なんか懐かしくてかけてきたんじゃないの。ぼくもようわからん」
「しかし失礼な人ですね。フリーコールでかけてきて…」
この一言で温厚な僕もキレタ。
「コノッ!ク○ヤンキージ○ィ~!!」
放送禁止用語?で叫んでしまった。
おわり
フリーコール=料金先方持ち。つまりこの場合通話料金は全て当方持ちとなる。トホホ…。
事務処理中のさわやかな朝。フロント普久原主任が困った顔で
「電話を変わってください。英語でまくし立てられて何を言われているのか解りません…。」
昔とったきねづか。我がB級ホテルが米軍御用達宿だった頃フロントの職員は英会話が必須科目だった。もちろん意思さえ通じればブロークンOKのコザエイゴ。
お陰で僕も、カタクチ単語並べ文法無視ブロークンイングリッシュで予約ぐらい取れる。
要は度胸! 英語なんてしょせん他国語。下手で何が悪い!
心に言い聞かせ受話器をとる。
「ハロー! あんたはオーナーか? あなたの親父さんを知っている。俺は昔コザに住んでいた。バリバリバラバラ…etc.」
確かに聴き取りにくく、こちらの反応を無視して話しかけてくる。
直感した!
酔っている!
強烈な早口のダミ声で声の質口調からして老人である事に間違いない。
あなたのホテルは今何室ぐらいで、ビジネスは好調か? コザの景気はどうだ?とか今の観光協会長はよく知っている。などと脈絡も関連性もない話を取りとめもなく続ける。
何の用だ?予約の電話なのだろうか? 国際電話ではないのか?電話代は大丈夫かな?
しかし、昔コザにいて死んだ親父を知っているらしい。邪険には出来ない。コザを懐かしんでいるのだ。忘れかけているブロークンイングリッシュのトレーニングにもなるしここはもう少しお相手してあげようと敬老精神を発揮する。
10分ほど経過。それでも話は終わらない。このまま永遠に続くのか。
「ところで今日はいったい何の御用で…」
さりげなく話題を振ってみた。するとヤンキーオジイは
「君の英語はウマい。アメリカの大学へ行ったのか?」
心をくすぐるではないか…。ブロークンにむかっていけしゃあしゃあと。
「独学だ」
さりげなく答えたが、気分が悪いはずはない。またまたヤンキーオジイのペースに巻き込まれてしばらく取りとめもない話が続く。
さらに5分ほど経過した。相手の電話代も気になる。そろそろ僕の英語のボキャブラリーも精神状態も限界点に近づきつつあったので、勇気を振り絞り
「私も今忙しいので用がなければ電話を切りたいのだが…」
と告げると、余りにもあっさりと
「OKわかった。じゃあな!楽しかった。」
と言って電話を切ってしまった。
いったいこの電話は何だったのであろうか? 聞きそびれたがどこからかけて来たのだろうか? アメリカからなら電話代も馬鹿にならないだろうに…。
と考えていたところへ普久原主任現る。
「助かりました。ありがとう御座います。しかし長時間いったい何の話で…?」
「なんか懐かしくてかけてきたんじゃないの。ぼくもようわからん」
「しかし失礼な人ですね。フリーコールでかけてきて…」
この一言で温厚な僕もキレタ。
「コノッ!ク○ヤンキージ○ィ~!!」
放送禁止用語?で叫んでしまった。
おわり
フリーコール=料金先方持ち。つまりこの場合通話料金は全て当方持ちとなる。トホホ…。
2008年06月06日
最強(凶)オバサン!
デイゴホテル内レストラン『うりずん』。
自分でいうのもナンだが、B級グルメ界でなかなかの人気。
飛び込み客よりも、なぜか宴会、パーティー、模合い、グループでの会食等の予約客が多い。
しかも、その構成客層は40代から70代までのオバサマ方がほぼ8割を占める。
人生の、酸いも辛いも、美味いも不味いも、高いも安いも知り尽くした最強の面々である。
そういう客層に支えられていると言う事は、大抵の事では動じない。コワイモノナシなのである。
とまれ。ここで 『私のことか?』 などとウチアタイ(心当たり)をしている読者の方がいらしても誤解しないで頂きたい。あくまでウチの常連のお客様の一部の大半の方の事である。日本語になってないが、客の悪口を書くと我が零細企業の商売に微妙な影響を与えかねないので苦しい心中察してお読み頂きたい。
さて話を戻す。
ある日の昼食時の事。
いつもの○○会の定例会。メンバーは前述の8割層を占めるオバサマ方。
月に一度気の合う仲間が集まり食事をかねての親睦模合い。いつものように個室を提供。
1000円のお任せランチを摂りながら和気あいあいと会も滞りなく進みしばらく経った頃。
そこに会のメンバーの一人のややメタボ風丸顔オバサマが遅れて到着。
『私は食事を済ませて来たからコーヒーだけでいいわ!』
とオバサマはベテランウエイトレスY子に告げた。
《個室を提供してコーヒーじゃ割に合わないけど、他の方々がちゃんとランチを摂ってくれたし…。まあいいかぁ~》とY子が思ったかどうかは定かでない。
そして忌憚のない仲間たちと楽しい時を過ごしたオバサマ方は満足げな顔で個室から退出し、それぞれが食事代の清算の為レジに並んだ。
ほぼ全員が清算を終えた頃、ベテランウエイトレスY子は先述のメタボオバサンからまだコーヒー代のお支払いを頂いてないのを見逃さなかった。
勇気を振り絞りまだ友達とのユンタク(おしゃべり)に夢中なメタボオバサンに近づき…
Y子 『あの~、まだご清算いただいておりませんが…』
オバサン 『何言ってるの! 私、今日は食事してないわよ!』
Y子 『ええ、ですがコーヒーをお飲みになっております。』
オバサン 『ランチタイムだからコーヒーはサービスでタダでしょ!』
Y子 『ランチタイムのドリンクのサービスは、お食事をご注文されたお客様のみタダでございまして~、コーヒーだけなら250円になりますが…』
オバサン 『ハッサビヨ!(あれま!)食事は他の人が取っているさ!あんたたちはケチだね~!』
Y子 『・・・・・』
とメタボ丸顔オバサンはまん丸い目をキツネ目に吊り上げて、中国語の第2声のイントネーションの様な素っ頓狂な声音で捨て台詞を吐きながら、250円を放り投げるようにして去って行ったそうな。
あまりの強引な論理の展開に言葉を失ったA子が心の中で、《あんなオバサンには決してなるまい!!》と誓ったかどうかは定かでない。
最強(凶)オバサンの思考の奥底に潜む常識と非常識の境界線は、僕にとって永遠の神秘である。
おわり
2008年05月28日
続報! 犯人に告ぐ!
ついに犯人逮捕!
去年のクリスマスの頃にデイゴホテルで起きた客室液晶テレビ盗難事件。
(昨年12月27日掲載 犯人に告ぐ! 絶対参照)
ご記憶の方も多いと思う。たくさんの人にその後の経過を聞かれた。
証拠多数ありで防犯カメラに面相も写っており、宿泊票の記載も本名で住所も実家。逮捕は時間の問題かと思われたが、意外にその後の進展はなかった。
がしか~し。
世の中そんなに甘くない。まして窃盗行為が許されるわけでもない。
4月後半頃、沖縄署の刑事課から事件の進捗についての連絡があった。
なんと、犯人のSは住居を転々とした後、4月某日、県内某警察署に別件で逮捕されていた。
その情報を得た沖縄署の刑事がその署へ出向き、接見取調べを行うと素直にデイゴホテルでの犯行を自供したとの事。
犯人Sの別件逮捕理由を尋ねても、ケーサツは本事案に関わること意外は口が固く、はっきりと教えてくれなかったが、僕の鋭い分析観察ではどうも別件も窃盗クサい。
ケーサツによると犯人Sは初犯で、逮捕によりすっかり観念した様子で全て洗いざらいきれいに吐いて今は犯行を悔いているとの事。
実況見分でホテルの犯行現場まで来たが、彼はフロントの前を通り過ぎる時に、しょぼくれ、うなだれ、すまなさそうな顔をしてぴょこりとあたまを下げた。
何処にでもいるフツーの青年の顔であった。
さて、持ち去られた液晶テレビの行方である。
犯人によると、その日の内に市内の某古物商(最近流行りの“何でも売ります買います”のアレ)に持って行き現金化したとの事。 (いくらで引き取られたか興味のある所だが…)
しかし、あれから4ヶ月あまり経っている。ほぼ絶望視していたのであるが…。
ところがどっこいこのテレビ。しぶとく生きていた。奇跡的に売れてなかった。
古物商は原則的に盗品を引き取った場合、その持ち主に返さねばならないとの事。
期待はしていなかったが、テレビも無事戻ってきたのであった。
真にメデタシメデタシなのであった。

奇跡の生還を遂げた液晶テレビ
犯行の動機が、仕事にあぶれ適当な仕事がみつからず、生活費に困り…。との事。
そんな人は世の中にたくさんいる。それを容認したら、世の中泥棒だらけだ!
その気になればどんな仕事だって出来るはずだ。
要は本人の心がけの問題なのだ。
と、心の中でつぶやくが、何故かやるせない気持ちになる。
『貧すれば、鈍する』
そんな言葉が浮かんできた。
健康な青年が職に就けない。そんな世の中になってしまったのだろうか?
戻ってきた液晶テレビをしみじみと眺めながら、なにやら複雑な気持ちになった。
『犯人よ! もう君に恨みはない。しっかりと更生の道を歩んでほしい。』
今日のオレはやけにカッコイイではないか…。
おわり
去年のクリスマスの頃にデイゴホテルで起きた客室液晶テレビ盗難事件。
(昨年12月27日掲載 犯人に告ぐ! 絶対参照)
ご記憶の方も多いと思う。たくさんの人にその後の経過を聞かれた。
証拠多数ありで防犯カメラに面相も写っており、宿泊票の記載も本名で住所も実家。逮捕は時間の問題かと思われたが、意外にその後の進展はなかった。
がしか~し。
世の中そんなに甘くない。まして窃盗行為が許されるわけでもない。
4月後半頃、沖縄署の刑事課から事件の進捗についての連絡があった。
なんと、犯人のSは住居を転々とした後、4月某日、県内某警察署に別件で逮捕されていた。
その情報を得た沖縄署の刑事がその署へ出向き、接見取調べを行うと素直にデイゴホテルでの犯行を自供したとの事。
犯人Sの別件逮捕理由を尋ねても、ケーサツは本事案に関わること意外は口が固く、はっきりと教えてくれなかったが、僕の鋭い分析観察ではどうも別件も窃盗クサい。
ケーサツによると犯人Sは初犯で、逮捕によりすっかり観念した様子で全て洗いざらいきれいに吐いて今は犯行を悔いているとの事。
実況見分でホテルの犯行現場まで来たが、彼はフロントの前を通り過ぎる時に、しょぼくれ、うなだれ、すまなさそうな顔をしてぴょこりとあたまを下げた。
何処にでもいるフツーの青年の顔であった。
さて、持ち去られた液晶テレビの行方である。
犯人によると、その日の内に市内の某古物商(最近流行りの“何でも売ります買います”のアレ)に持って行き現金化したとの事。 (いくらで引き取られたか興味のある所だが…)
しかし、あれから4ヶ月あまり経っている。ほぼ絶望視していたのであるが…。
ところがどっこいこのテレビ。しぶとく生きていた。奇跡的に売れてなかった。
古物商は原則的に盗品を引き取った場合、その持ち主に返さねばならないとの事。
期待はしていなかったが、テレビも無事戻ってきたのであった。
真にメデタシメデタシなのであった。
奇跡の生還を遂げた液晶テレビ
犯行の動機が、仕事にあぶれ適当な仕事がみつからず、生活費に困り…。との事。
そんな人は世の中にたくさんいる。それを容認したら、世の中泥棒だらけだ!
その気になればどんな仕事だって出来るはずだ。
要は本人の心がけの問題なのだ。
と、心の中でつぶやくが、何故かやるせない気持ちになる。
『貧すれば、鈍する』
そんな言葉が浮かんできた。
健康な青年が職に就けない。そんな世の中になってしまったのだろうか?
戻ってきた液晶テレビをしみじみと眺めながら、なにやら複雑な気持ちになった。
『犯人よ! もう君に恨みはない。しっかりと更生の道を歩んでほしい。』
今日のオレはやけにカッコイイではないか…。
おわり
2008年02月08日
腹の立つことPart 2=無断迷惑駐車
前回の事件(腹の立つこと=No show)の怒りも覚めやらぬままの、その2~3日後。
またまた腹の立つことのハナシ。
『前に止めてある車が邪魔で、私の車が出られません! 』
朝9時頃、チェックアウト客の立て込む中、宿泊客からの訴えで駐車場を覗いてみると、沖縄ナンバーの不埒な軽自動車が、縦列駐車で客の車の行く手を完璧に塞いでいる。
イヤ~な予感がした。
やはり…。僕の場合、悪い予感の的中率はよい時のそれよりも極めて高い。
車の鍵は預かっておらず、めぼしい宿泊客・外来客にも問い合わせるも持ち主不明。
車はしっかりドアロックされていて動かすことが出来ない。
お客さんは車を出す事が出来ずに右往左往。約束の時間に遅れるとあせっている。
社用車も出払っており、仕方がないのでの僕の愛車を提供することになった。
僕のその日一日の行動が動脈硬化症状を呈し、B級ホテルの業務に多大なる損害を与えたことは言うまでもない。
しかし考えれば考えるほど腹が立つ!
ケーサツに頼ることも考えたが、それは最後の手段にとっておく事にした。
以前にも何度か同様のことがあったが、こちらが警察官に
『レッカー移動してくれ!』
と血走りマナコで訴えても
『ココオタクの私有地なんでね~、公道じゃないんでね~、引っぱれないのよ!道交法違反じゃないワケ。だから~民事なのよ…。』
と、お得意の民事不介入原則を盾にかわされる。
《ケッ、お仲間の交通巡視員なる方々は交通量の少ない深夜のゲート通りで、黙々と能面無表情顔で違反切符を張りまくっているってのによ!》
と心の中で毒づくが、それでも彼らは迷惑車両には権力を駆使して持ち主を割り出し電話で注意はしてくれるので、保険の為味方につけておこう。
話を戻す。
しかし、たいていの無断駐車車両は後ろめたさからか、入口(出口)の近くの逃げやすい所にひっそりと邪魔にならぬよう目立たぬようコソッと止めるものだ。
他人の所有地で他人の車が出られなくなるような、迷惑で非常識な駐車をするアホで厚顔なヤロー(女かも?)には、免許切り替え時にあの忌まわしい講習を30時間ほど受けさせるべきである。
ウチでは毎夜、防犯のため駐車車両のナンバーチェックをしている。
件の車は昨夜のチェックリストに載っていない。ということは、深夜から未明にかけての蛮行(犯行)なのであろう。
怒りの矛先が収まらず、何か一言いってやりたい衝動に駆られ、迷惑車両をウチの車で前後挟み撃ちにし《フロントまで出頭願いたい》旨の張り紙をして待ち受けていたのであるが、その日はとうとう持ち主現れず。
翌朝現場へ行ってみるとその迷惑車両が忽然と姿を消していた。挟み撃ちの車と車の間の空間をぽっかりと残して…。
あれは、切り返しを125回ぐらいやって抜け出すか、はたまた男性数人で持ち上げて横にスライドさせて逃げ出すかしか手はない筈であるが…。
根性のある迷惑駐車ヤロー(しつこいけど女かも)だ。
いつまでもぶつくさ言ってるとイヤミな男だと思われそうだし、精神衛生上悪いのでこの事件はこれで忘れることにした。
それにしても、車社会の沖縄。100人の人間を集めようとすると100台の駐車スペースが必要になる。
現代社会において、車は確かにドアtoドア人や荷物を運んでくれる便利な代物で輸送手段には欠かせない。
反面、二酸化炭素は撒き散らすわ、化石燃料の枯渇の速度は速まるわ、駐車スペースの確保や道路の整備にも莫大な費用がかかりそうだ。
何よりも、メタボの育成にはすごく良い!
いつの日か、ココ沖縄にも自家用車を必要としない時代が来るのであろうか?
かくいう私も、車を手放せないメタボ男の一人である。
2008年01月31日
腹の立つこと=No show
年明けからずっと忙しい日が続いている。
この時期は、いつもの事ながらプロ野球や陸上、その他スポーツのキャンプ、イベントが重なり、それに加えてこの数年来の傾向である冬場の沖縄観光の好調さの波が、沖縄市内のホテルにも押し寄せている。
『ついに一皮むけたかコザの観光シーンよ!』
などとぬか喜びして… 4月の声を聞くと、とたんに閑古鳥が泣き出す始末である。
この数年の客室稼働率のデータをグラフにすると、山あり谷ありの健康な成人諸氏の心電図的な動きをきっちり示す。固定化した感がある。
まあそれはそれで山があるだけ良いではないか! 谷底を這いずり回るよりも…。
と開き直り、めったにない現在の好調な商売の状況に楽天的に浸ってみる。
と、そんなある日数日前のこと。
ウチのフロント、又やっちまった。オーバーブッキング。本日ワンルーム不足…。
例によってフロントでガチャガチャやっていると…。
それをひそかに聞いていた常連長期滞在のF氏。ちなみに彼は仕事の関係でかなりの頻度で来沖し、最低一月は滞在する。静かで手がかからず、朝出かけて夜帰って来るという、宿泊客の鏡?のような人だ。そのF氏がフロントの窮状を見かねて
『僕は今日宴会で遅くにしか帰って来ないから、どうせ寝るだけだしいつもの隠れ家でいいよ!』
と、おお正に天の声!天恵!天啓!渡りに船!というやつでフロント即座にこの提案に飛びつき、すぐさま準備にとりかかる。その時F氏の向こうには後光が射していたと言う。
ここで賢明な読者は〔いつもの隠れ家とは?〕という疑問にぶち当たるだろう。
恥ずかしながら暴露すると、それは〔従業員休憩室〕の事。
8畳ぐらいのたたみ間にタオルやら備品やら所狭しと置かれ、そこへ布団を敷いて寝るのである。
恥の上塗りだが、F氏が“隠れ家”の存在を知っていると言うことは、以前にもソコヘ強制収容させられた経験があるということ。
読者の皆さんココだけの話ですよ!ヨソでしゃべっちゃダメですよ!
という訳でこの日は事なきを得て、綱渡りの綱を渡り終えた。
そして翌朝、宿帳を見た私は愕然とした!
ノーショウが二人、つまり二人来てない! よって2部屋空室!
来ないんだったら連絡ぐらいしてくれよな! キャンセルならキャンセルと!
そうすれば、F氏は温かい布団の上でぐっすりと安らかに寝れたのに…。
オノレの不手際を省みず、腹立ちまぎれにノーショウの二人に電話するもむなしく呼び出し音がなるだけ…。
2部屋分の部屋代を儲け損ね、空いているのに“隠れ家”に宿泊者ありの、なんとも腹立たしくもやるせない一日であった。
No show
〔名]((米略式))ノーショウ:飛行機・船・列車の座席を予約しながらキャンセルもせず最後まで現れない人.
Yahoo 辞書より
タグ :ノーショウ
2007年12月27日
犯人に告ぐ。
犯人に告ぐ。
デイゴホテルの客室から黙って液晶テレビを拝借した君。
速やかに自首せよ!
ホテルの防犯システムをナメテはいけない!
君の姿はチェックインの際に防犯カメラにバッチリ映っているぞ!
駐車場や玄関、その他アチコチでかなり鮮明に撮られているぞ!
ついでにルームーキーもまだ返していないぞ!
警察が捜査を開始した。指紋も押収した。逃げ道は無いぞ!
いつ警察に踏み込まれるかもしれないという恐怖感で、これからの人生を生きていくのか?
たかが液晶テレビ一台で人生を棒に振るのか?
もう一度言う!
自首しなさい!
今なら罪は軽い!
平成19年12月25日午後2時13分頃沖縄市中央のデイゴホテルから、同市内の沖縄警察署へ窃盗事件発生の第一報が入る。去った12月24日の夕刻から明朝にかけて、犯行は行われた模様。
25日の昼頃、デイゴホテルのハウスクリーニング係N女が客室清掃の為2○○号室へ入室した所、客室内に何らかの異変を感じた。
ベテラン掃除人で同部屋の担当でもある同女は、即座に客室内の新型23インチ地デジ対応液晶テレビ製造番号E5211○○の備品が紛失しているのに気づき、フロントに連絡。それを受けたフロントB男及びオーナーの宮城氏は、この行為は窃盗である事を確信し市民としての義務感と犯罪に対する義憤から同署への通報に至った。
早速署員が現場へ急行し現場の保全に務める一方、関係者より犯行の経緯等の事情の聴取を始める。
ベテランハウスクリーニングN女の「昨日の清掃時には確実にテレビが有った」と言う証言で、犯行は前日24日の午後2時頃から25日の正午頃までの間だと推察され、同部屋に同日宿泊しその朝フロントに姿を見せない、県内M市在住と宿長に記載したKのものである事が決定的になった。
その後の調べでKはチェックイン時の模様が防犯カメラに鮮明に映っており、その面相もはっきりとうかがえ、その時点からビニール製大型バッグを2個口所持しており、犯行時にはこのバッグのどちらかに盗品を詰め込み、ホテル外に持ち出し逃走したものだと推察される。防犯カメラでの撮影や指紋その他遺留品も多く、プロの犯行とは言い難く逮捕は時間の問題だと思われる。
おりしもこの日は、ホテル主催のクリスマスイブクラシックコンサートが華々しく開催されており、周りのあまりの享楽的な喧騒にある種の寂莫感から犯行に及んだ可能性も捨て難い。(某諜報機関の通信を傍受)

盗難にあった液晶テレビ。
さて、僕がこう書くと大部分のヒトが、また~悪い冗談を! と信じてくれないだろうが、これはホントの本当のお話。2~3日前の旬の出来事。ノンフィクションなのだ。
事件は起こりました。上記ドキュメントで書いたとおり(少し脚色はあるが)。
テレビだけならまだしも、何せこの泥棒、部屋の鍵も持ち逃げしおった。第二の犯行に至る前に部屋の鍵を早速取り替えた。(これが金かかる)
今回はどういう訳か警察も気合が入っていた。指紋採取して、防犯カメラの映像のコピーとったり…。そしてここでは明かせないもっと大きな証拠もあるのだヨ。明智君。
しつこいようだが犯人よ、首を洗って待っていろよ…。
11月連休のトホホに続く(過去記事参照)、またまたトホホ…な師走です。
デイゴホテルの客室から黙って液晶テレビを拝借した君。
速やかに自首せよ!
ホテルの防犯システムをナメテはいけない!
君の姿はチェックインの際に防犯カメラにバッチリ映っているぞ!
駐車場や玄関、その他アチコチでかなり鮮明に撮られているぞ!
ついでにルームーキーもまだ返していないぞ!
警察が捜査を開始した。指紋も押収した。逃げ道は無いぞ!
いつ警察に踏み込まれるかもしれないという恐怖感で、これからの人生を生きていくのか?
たかが液晶テレビ一台で人生を棒に振るのか?
もう一度言う!
自首しなさい!
今なら罪は軽い!
平成19年12月25日午後2時13分頃沖縄市中央のデイゴホテルから、同市内の沖縄警察署へ窃盗事件発生の第一報が入る。去った12月24日の夕刻から明朝にかけて、犯行は行われた模様。
25日の昼頃、デイゴホテルのハウスクリーニング係N女が客室清掃の為2○○号室へ入室した所、客室内に何らかの異変を感じた。
ベテラン掃除人で同部屋の担当でもある同女は、即座に客室内の新型23インチ地デジ対応液晶テレビ製造番号E5211○○の備品が紛失しているのに気づき、フロントに連絡。それを受けたフロントB男及びオーナーの宮城氏は、この行為は窃盗である事を確信し市民としての義務感と犯罪に対する義憤から同署への通報に至った。
早速署員が現場へ急行し現場の保全に務める一方、関係者より犯行の経緯等の事情の聴取を始める。
ベテランハウスクリーニングN女の「昨日の清掃時には確実にテレビが有った」と言う証言で、犯行は前日24日の午後2時頃から25日の正午頃までの間だと推察され、同部屋に同日宿泊しその朝フロントに姿を見せない、県内M市在住と宿長に記載したKのものである事が決定的になった。
その後の調べでKはチェックイン時の模様が防犯カメラに鮮明に映っており、その面相もはっきりとうかがえ、その時点からビニール製大型バッグを2個口所持しており、犯行時にはこのバッグのどちらかに盗品を詰め込み、ホテル外に持ち出し逃走したものだと推察される。防犯カメラでの撮影や指紋その他遺留品も多く、プロの犯行とは言い難く逮捕は時間の問題だと思われる。
おりしもこの日は、ホテル主催のクリスマスイブクラシックコンサートが華々しく開催されており、周りのあまりの享楽的な喧騒にある種の寂莫感から犯行に及んだ可能性も捨て難い。(某諜報機関の通信を傍受)
盗難にあった液晶テレビ。
さて、僕がこう書くと大部分のヒトが、また~悪い冗談を! と信じてくれないだろうが、これはホントの本当のお話。2~3日前の旬の出来事。ノンフィクションなのだ。
事件は起こりました。上記ドキュメントで書いたとおり(少し脚色はあるが)。
テレビだけならまだしも、何せこの泥棒、部屋の鍵も持ち逃げしおった。第二の犯行に至る前に部屋の鍵を早速取り替えた。(これが金かかる)
今回はどういう訳か警察も気合が入っていた。指紋採取して、防犯カメラの映像のコピーとったり…。そしてここでは明かせないもっと大きな証拠もあるのだヨ。明智君。
しつこいようだが犯人よ、首を洗って待っていろよ…。
11月連休のトホホに続く(過去記事参照)、またまたトホホ…な師走です。
2007年12月26日
クラシックコンサートを終えて
『食いホーダイ!飲みホーダイ!赤字確定出血大サービス!んでもって艶やかに!5000円!』
とまるでパチスロ屋のチラシみたいなキャッチフレーズで、クリスマスイブに社運をかけて?敢行したクラシックミニコンサート。
内容については鈴木雅子さんのブログで詳しく紹介されているので、ここでは割愛する。
無事幕を閉じ、正直ホッとした。
こんな日に50名も集客できるのだろうか?
席はどの様に配置しようか?
メニューは? 飲み物は? 音響は?
色々考えてしまう。
何せ自分でこのような試みをした経験がなく、楽天的な僕も不安だらけであった。
ナント無謀なことを。と軽い後悔の念もよぎったのであるが…。
して結果は?
社交辞令・お世辞・ねぎらいの言葉を差し引いても、おおむね好評だった様に思う。
『楽しかった!』『最高!』『いいムード』『来年もやってね!』
とお褒めの言葉を頂き、不安も疲れも吹き飛んだ。特に、何人もの方に頂いた、
『料理が最高に良かったヨ!』
のせりふには、ホテルのスタッフが一番反応し大いに喜んだ。
ホテル屋をやっていて良かったと感じる瞬間である。
クラシックというと、どうしても堅苦しいイメージが有り、オペラ座のような荘厳なる会場に出かけて行き、正装じゃないといけない。おしゃべりをしてはいけない。咳をしてはいけない。子連れはダメ。食っちゃダメ。飲んじゃダメ。のまるでイケナイ・ダメよ!ずくしの感があってなかなか近寄れない存在であった。(ホントはそうじゃないのかもしれないが僕の不勉強さがそういうイメージを作ってしまっていた)
それが去年機会あって、今回の演奏者“てっちゃんとその仲間たち”のコンサートに出会い、いたく感動し、「来年はうちで」と秘かに企画をしたためていたのである。
もくろみ通りに、お客様は大いに食べ、飲み、演奏の邪魔にならない程度のおしゃべりを楽しみながら音楽を堪能し、会場が一体化した。様に見えたのは僕だけではない筈だ。
少しだけ誇張して言い換えれば、あの瞬間、僕にはヨーロッパのある国の名も無き街の、名も無き場末のパブにやって来た、気の利いたミニ楽団の演奏に聞き入る名も無き地元の極めて庶民的な人達。というシーンが見えてきた。(おおげさか?映画の見すぎ)
何はともあれ無事終わった。参加者総勢70名。
素敵な演奏を聴かせてくれた“てっちゃんとその仲間たち”。
参加者の皆さん。
チケット販売に協力してくれた“たむん”“コザクラ”の両オーナー。
そして様々な形でお手伝い頂いた皆さん。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
とまるでパチスロ屋のチラシみたいなキャッチフレーズで、クリスマスイブに社運をかけて?敢行したクラシックミニコンサート。
内容については鈴木雅子さんのブログで詳しく紹介されているので、ここでは割愛する。
無事幕を閉じ、正直ホッとした。
こんな日に50名も集客できるのだろうか?
席はどの様に配置しようか?
メニューは? 飲み物は? 音響は?
色々考えてしまう。
何せ自分でこのような試みをした経験がなく、楽天的な僕も不安だらけであった。
ナント無謀なことを。と軽い後悔の念もよぎったのであるが…。
して結果は?
社交辞令・お世辞・ねぎらいの言葉を差し引いても、おおむね好評だった様に思う。
『楽しかった!』『最高!』『いいムード』『来年もやってね!』
とお褒めの言葉を頂き、不安も疲れも吹き飛んだ。特に、何人もの方に頂いた、
『料理が最高に良かったヨ!』
のせりふには、ホテルのスタッフが一番反応し大いに喜んだ。
ホテル屋をやっていて良かったと感じる瞬間である。
クラシックというと、どうしても堅苦しいイメージが有り、オペラ座のような荘厳なる会場に出かけて行き、正装じゃないといけない。おしゃべりをしてはいけない。咳をしてはいけない。子連れはダメ。食っちゃダメ。飲んじゃダメ。のまるでイケナイ・ダメよ!ずくしの感があってなかなか近寄れない存在であった。(ホントはそうじゃないのかもしれないが僕の不勉強さがそういうイメージを作ってしまっていた)
それが去年機会あって、今回の演奏者“てっちゃんとその仲間たち”のコンサートに出会い、いたく感動し、「来年はうちで」と秘かに企画をしたためていたのである。
もくろみ通りに、お客様は大いに食べ、飲み、演奏の邪魔にならない程度のおしゃべりを楽しみながら音楽を堪能し、会場が一体化した。様に見えたのは僕だけではない筈だ。
少しだけ誇張して言い換えれば、あの瞬間、僕にはヨーロッパのある国の名も無き街の、名も無き場末のパブにやって来た、気の利いたミニ楽団の演奏に聞き入る名も無き地元の極めて庶民的な人達。というシーンが見えてきた。(おおげさか?映画の見すぎ)
何はともあれ無事終わった。参加者総勢70名。
素敵な演奏を聴かせてくれた“てっちゃんとその仲間たち”。
参加者の皆さん。
チケット販売に協力してくれた“たむん”“コザクラ”の両オーナー。
そして様々な形でお手伝い頂いた皆さん。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
2007年09月28日
戦闘マシンとのバトル VOL.2
前回よりの続き。
ココから読む方は、戦闘マシンとの戦い VOL.1を先に読まれたし。
さて、義憤にかられた強盗征伐対の3人は、ホテル駐車場の辺りをチェックしてみる。
ただならぬ空気が漂い、なにやら手負いの獣の気配を感じる。
様々な事を勘案しても、そう遠くにいけるはずが無い。
ヤツがこの近くに潜んでいる事を確信した。
そろりそろり、中腰の抜き足差し足でまるで盗人のように徘徊していると、
その時、被害者棒切れ男が小さく叫んだ!
『そこだ! そこにいる!』
指差した先をみると、駐車している車の間に、(酒で)濁った眼をした白人マリン兵が痴呆の様にこちらを見ている。
一瞬目が合った。
そしてヤツは、行動にでた!
『うお~、わお~~、ぎょえ~~ !』
声にならぬ声、雄叫びを上げながら、こちらへ向かって突進してくる!
ドルフ・ラングレン(映画ユニバーサルソルジャー参照)のような大男(に見えた)。
突然の出来事に、戦闘経験の無いへっぽこ征伐隊は、一瞬ひるむもこちとら3人。
いかに戦闘マシンと言えども、ドルフ君は泥酔状態。
突進してきて棒切れを奪おうとする戦闘マシンとしばしのもみ合いの末に地面に組み伏す。
怒りが恐怖に打ち勝った。
その後は殴る蹴るの暴・・・イヤ、ここでバトルはフィニッシュ。
ドルフ君の咆哮とバトルの騒々しさで起きだした住民の通報で、意外な速さでパトカーがやって来てドルフ君を連行して言った。
その際に
『俺は何もやってねー!』
と英語で叫ぶドルフ君に、犯人逮捕でコーフン気味の若い巡査が
『ヤガマサヨー、ニホンゴッシアビレー!』 (ウルセー日本語で話せ!)
と方言で怒鳴っていたのを覚えている。
彼は隣のアパート以外でも、アベニュー付近で若い女性に対し路上強盗を働いており、その為パトカーが周辺を警戒しており、早く駆けつける事が出来たのだと言う。
さて、強盗征伐に成功したへっぽこ3人組は勝利に酔いしれ、今や戦友と化し、デイゴのロビーで雑談中。
誰かが何気なく言った。
『そういえば、あのマリン兵が強盗の時持っていたナイフはどうなったのかね~』
『やさっ! ナイフ持っていたよな~・・・。 』
3人とも同時に同じ事を想像したらしい。(今頃気付いても遅いが・・・)
《もし、彼があの凶器をまだ持っていて、あのバトルの時使っていたなら・・・》
突然悪寒が体中を走り抜け、背筋が寒くなり顔色が青くなった。
へっぽこ強盗征伐隊が今後なんらの活動もしなかったのは言うまでもない。
一歩間違えれば、僕は今頃天国の親父と酒を酌み交わしていたかもしれない。
『命どぅ宝!』
終わり
ココから読む方は、戦闘マシンとの戦い VOL.1を先に読まれたし。
さて、義憤にかられた強盗征伐対の3人は、ホテル駐車場の辺りをチェックしてみる。
ただならぬ空気が漂い、なにやら手負いの獣の気配を感じる。
様々な事を勘案しても、そう遠くにいけるはずが無い。
ヤツがこの近くに潜んでいる事を確信した。
そろりそろり、中腰の抜き足差し足でまるで盗人のように徘徊していると、
その時、被害者棒切れ男が小さく叫んだ!
『そこだ! そこにいる!』
指差した先をみると、駐車している車の間に、(酒で)濁った眼をした白人マリン兵が痴呆の様にこちらを見ている。
一瞬目が合った。
そしてヤツは、行動にでた!
『うお~、わお~~、ぎょえ~~ !』
声にならぬ声、雄叫びを上げながら、こちらへ向かって突進してくる!
ドルフ・ラングレン(映画ユニバーサルソルジャー参照)のような大男(に見えた)。
突然の出来事に、戦闘経験の無いへっぽこ征伐隊は、一瞬ひるむもこちとら3人。
いかに戦闘マシンと言えども、ドルフ君は泥酔状態。
突進してきて棒切れを奪おうとする戦闘マシンとしばしのもみ合いの末に地面に組み伏す。
怒りが恐怖に打ち勝った。
その後は殴る蹴るの暴・・・イヤ、ここでバトルはフィニッシュ。
ドルフ君の咆哮とバトルの騒々しさで起きだした住民の通報で、意外な速さでパトカーがやって来てドルフ君を連行して言った。
その際に
『俺は何もやってねー!』
と英語で叫ぶドルフ君に、犯人逮捕でコーフン気味の若い巡査が
『ヤガマサヨー、ニホンゴッシアビレー!』 (ウルセー日本語で話せ!)
と方言で怒鳴っていたのを覚えている。
彼は隣のアパート以外でも、アベニュー付近で若い女性に対し路上強盗を働いており、その為パトカーが周辺を警戒しており、早く駆けつける事が出来たのだと言う。
さて、強盗征伐に成功したへっぽこ3人組は勝利に酔いしれ、今や戦友と化し、デイゴのロビーで雑談中。
誰かが何気なく言った。
『そういえば、あのマリン兵が強盗の時持っていたナイフはどうなったのかね~』
『やさっ! ナイフ持っていたよな~・・・。 』
3人とも同時に同じ事を想像したらしい。(今頃気付いても遅いが・・・)
《もし、彼があの凶器をまだ持っていて、あのバトルの時使っていたなら・・・》
突然悪寒が体中を走り抜け、背筋が寒くなり顔色が青くなった。
へっぽこ強盗征伐隊が今後なんらの活動もしなかったのは言うまでもない。
一歩間違えれば、僕は今頃天国の親父と酒を酌み交わしていたかもしれない。
『命どぅ宝!』
終わり
2007年09月26日
戦闘マシンとの戦い VOL.1
久々のホテル事件簿である。
この話は今思い出しても背筋がぞっとする。
あれはまだ僕が駆け出しB級ホテルマンであった頃。20数年前のお話。
その日僕は週に一度の深夜勤であった。
夜の11時頃から朝7時頃までの勤務で仕事内容はほとんど夜警に近い。
いつにも増して静寂な土曜の夜で、恋愛映画のビデオを見ながら、感傷的な静かな時を過ごしていた。
今頃ワイワイと楽しく騒いでいるであろう友人達の顔を思い浮かべ、己の運命を呪い始めたその時!
突然! ロビーに闖入者現る。
30代位のウチナーンチュ、二人。
息せき切って何かを追って来たという様子で、一人は手に棒切れを持っている。
『アメリカーがココへ来なかったか? ウチがやられた! 強盗だ!』
棒切れ男はかなりコーフンしている。聞けば、このヒトは隣のアパートの住人。
たまの土曜の夜更かしを決め込み、家族団らんの楽しいひと時を過ごしていると、ナイフを持った若いマリン兵(海兵隊員)らしきヤツが突然玄関に現れ 《マニー!マニー!》 と要求したので、家族の安全のためやむなく金を渡した。
金を受け取ると族は急ぎ去っていったが、どうにも気が治まらないのでヤツを探しにやって来たとの事。
もう一人の男は割に冷静。話を聞いてウチーナーンチュ魂に火がつき、同胞の応援に駆けつけた隣の有料駐車場の管理人。駐車場をほったらかしてきた。
犯人らしき男がデイゴホテル方面へ向かうのを見たとの事。
当時は、今とは比較にならないほどマリン兵の地元民に対する犯罪が多く。
本土復帰以前からこの事は問題になっていた。
マリン兵がらみの事件が起こる度に地元の首長が米軍に綱紀の粛正を求めるが、いっこうに改善されない。
マリン兵は少年犯罪者の更生の目的で入隊させる例も少なくないと聞く。
何せ戦場へ行けば、鍛え上げられた戦闘マシンなのである。
ベトナムのジャングルでべトコンのブービートラップに怯えながら、地を這い、雨水を吸い、蚊に刺され、オクニの為勇敢にもべトコンと戦うが、やがて精神が病んでいく・・・。
ベトナム戦争映画に出てくるあのヒト達ですね。
これは大げさにしても、アメリカが関与する世界の紛争に真っ先に飛んでいく、死をも恐れぬ兵士達なのだ。
映像で見れば勇敢でえらくカッコいいし、悲壮感と知性を併せ持つエリート兵士。に見えなくもない。
しかし、沖縄の人にとっての彼らは、ある側から見ると、有り金使い果たすほどお店で飲んでくれるアホ・・・イヤいいお客様。
又、別の側面から見ると酔うと手が付けられない凶暴な兵士。
店の看板の破壊、ケンカ、ケーサツ沙汰は日常茶飯事。
生活の安全を脅かす外来者。さわらぬマリンにたたりなし。
ウチのホテルも過去には、無銭飲食、備品の窃盗、消火器のブチマケなど色々やられた。
――――――――――――――――
おっと! この辺でやめておかないと、海兵隊狙撃班の標的となる可能性があるので話を締める。
誤解の無きよう、暗殺を避ける為あえて言うが、ココで表現したマリン兵はもちろん一部の心無き者達の事。中には物静かな知性派や哲学的なマリン兵もいる事はいる。
ただ一般市民に比べると圧倒的に凶悪な輩が多く、犯罪率も高いという事なのだ。
過去のウラミからか、話があらぬ方向へ逸れてしまった。
元に戻そう。そうそう、強盗のハナシであった。
強盗追跡隊の二人の話を聞いたその時、恋愛映画で弛緩した僕の大脳に突如ビビッ!と稲妻が走り、なにかがつながった。
『そういえば、つい5分程前、足元おぼつかないマリンが、ロビーに入ってきた。かなりの酔い方だったので、シッ!シッ!と追い払ったら。素直に外へ出て行った。』
『あの酔い方だ。遠くへはいけない! きっとその辺にまだいるぞ!』
と駐車場管理人が重い口調でささやく。
風雲急を告げてきた!
強盗征伐隊の3人のウチナーセーネンは、緊張感に心打ち震えながらホテルの外へ出て行く。
戦場へ向かう兵士の如くに。何せ相手は戦闘殺人マシンなのだ・・・。
この話。つづく・・・
この話は今思い出しても背筋がぞっとする。
あれはまだ僕が駆け出しB級ホテルマンであった頃。20数年前のお話。
その日僕は週に一度の深夜勤であった。
夜の11時頃から朝7時頃までの勤務で仕事内容はほとんど夜警に近い。
いつにも増して静寂な土曜の夜で、恋愛映画のビデオを見ながら、感傷的な静かな時を過ごしていた。
今頃ワイワイと楽しく騒いでいるであろう友人達の顔を思い浮かべ、己の運命を呪い始めたその時!
突然! ロビーに闖入者現る。
30代位のウチナーンチュ、二人。
息せき切って何かを追って来たという様子で、一人は手に棒切れを持っている。
『アメリカーがココへ来なかったか? ウチがやられた! 強盗だ!』
棒切れ男はかなりコーフンしている。聞けば、このヒトは隣のアパートの住人。
たまの土曜の夜更かしを決め込み、家族団らんの楽しいひと時を過ごしていると、ナイフを持った若いマリン兵(海兵隊員)らしきヤツが突然玄関に現れ 《マニー!マニー!》 と要求したので、家族の安全のためやむなく金を渡した。
金を受け取ると族は急ぎ去っていったが、どうにも気が治まらないのでヤツを探しにやって来たとの事。
もう一人の男は割に冷静。話を聞いてウチーナーンチュ魂に火がつき、同胞の応援に駆けつけた隣の有料駐車場の管理人。駐車場をほったらかしてきた。
犯人らしき男がデイゴホテル方面へ向かうのを見たとの事。
当時は、今とは比較にならないほどマリン兵の地元民に対する犯罪が多く。
本土復帰以前からこの事は問題になっていた。
マリン兵がらみの事件が起こる度に地元の首長が米軍に綱紀の粛正を求めるが、いっこうに改善されない。
マリン兵は少年犯罪者の更生の目的で入隊させる例も少なくないと聞く。
何せ戦場へ行けば、鍛え上げられた戦闘マシンなのである。
ベトナムのジャングルでべトコンのブービートラップに怯えながら、地を這い、雨水を吸い、蚊に刺され、オクニの為勇敢にもべトコンと戦うが、やがて精神が病んでいく・・・。
ベトナム戦争映画に出てくるあのヒト達ですね。
これは大げさにしても、アメリカが関与する世界の紛争に真っ先に飛んでいく、死をも恐れぬ兵士達なのだ。
映像で見れば勇敢でえらくカッコいいし、悲壮感と知性を併せ持つエリート兵士。に見えなくもない。
しかし、沖縄の人にとっての彼らは、ある側から見ると、有り金使い果たすほどお店で飲んでくれるアホ・・・イヤいいお客様。
又、別の側面から見ると酔うと手が付けられない凶暴な兵士。
店の看板の破壊、ケンカ、ケーサツ沙汰は日常茶飯事。
生活の安全を脅かす外来者。さわらぬマリンにたたりなし。
ウチのホテルも過去には、無銭飲食、備品の窃盗、消火器のブチマケなど色々やられた。
――――――――――――――――
おっと! この辺でやめておかないと、海兵隊狙撃班の標的となる可能性があるので話を締める。
誤解の無きよう、暗殺を避ける為あえて言うが、ココで表現したマリン兵はもちろん一部の心無き者達の事。中には物静かな知性派や哲学的なマリン兵もいる事はいる。
ただ一般市民に比べると圧倒的に凶悪な輩が多く、犯罪率も高いという事なのだ。
過去のウラミからか、話があらぬ方向へ逸れてしまった。
元に戻そう。そうそう、強盗のハナシであった。
強盗追跡隊の二人の話を聞いたその時、恋愛映画で弛緩した僕の大脳に突如ビビッ!と稲妻が走り、なにかがつながった。
『そういえば、つい5分程前、足元おぼつかないマリンが、ロビーに入ってきた。かなりの酔い方だったので、シッ!シッ!と追い払ったら。素直に外へ出て行った。』
『あの酔い方だ。遠くへはいけない! きっとその辺にまだいるぞ!』
と駐車場管理人が重い口調でささやく。
風雲急を告げてきた!
強盗征伐隊の3人のウチナーセーネンは、緊張感に心打ち震えながらホテルの外へ出て行く。
戦場へ向かう兵士の如くに。何せ相手は戦闘殺人マシンなのだ・・・。
この話。つづく・・・
2007年07月16日
死の恐怖=台風のバカヤロ!
台風襲来前の木曜の夕方から何か胸騒ぎがしていた。
この台風確実に来るゾ!
気象庁の予報どおりピッタリと着実に予報官の書いたシナリオ通りに、近づいて来るではないか。
それてくれ! 一縷の望みに希望を託すのだが・・・。
ホテル屋にとって台風襲来ほどイヤな物はない。
外に置いてある備品や鉢植え、看板等の片付け。戸締り。
そして何よりも沢山の宿泊客を預かる身。その安全対策。
その仕事と言えば枚挙に暇がない。
さらに輪をかけて辛いのが停電である。
よくヒトは『ホテルは自家発電あるんでしょ!』と思っているらしいが、とんでもない誤解である。ライフラインの一部確保の為の小さな発電設備はあるが、全館をまかなうほどのあんなウン千万もするような機械設備を、一年に何回あるか分からない停電の為に設備する様な所は数える程だ。
大抵のホテルが設備するのは停電時に数時間だけ点灯する非常灯だけである。
これはあくまで緊急時の避難経路の確保の為なのだ。(消防法で義務付け)
ホテルで台風の為停電が起き、その状態が長時間続くとどうなるか? 想像してみよう。
まずテレビが見られなくなる。クーラーが効かないので暑い。そんなものは序の口。
我慢第1レベル。
夜だと電気が点かなくて暗くて不便。ローソクがあるではないか!
我慢第2レベル。
冷凍庫が作動していない為、庫内の肉や高級食材が徐々に腐り始める。クヤシーが仕方ない! 命までは奪われない。あきらめよう。
我慢第3レベル。
ホテルの給水塔(水タンク)は大抵屋上にある。したがって、電気モーターで水を揚げているので、いずれタンクの水は無くなる。
顔が洗えない。歯が磨けない。風呂が使えない。そんなモン2~3日サボったってどうって事はない。
これも、我慢第3レベル。
さて問題はココから。
ヒトには必然的生理現象がある。トイレの水が無くなったら?
小ならまだしも、大ならば・・・。そしてその現象は定期的にやって来るはずだ!
設定は台風で外に出られない! まるでホラー映画のようである。
ウーン! 食欲の無くなる話だ。
我慢不能レベル!
脱線している場合じゃない。話を元に戻す。
その悪魔のささやきは金曜の朝方にあった。
台風は予想通りの進路で暴風圏に突入。しかし我がB級ホテルはこれまで停電も雨漏りも無く順調そのものである。
その時、フロントF女史の容赦のない訴え。
『社長、お湯が出ません! お客様からクレームです。』
『台風なんだよ! ボイラーの故障だろう。水は出るんだからそれで入ってもらったら。台風なんだからサ~』
やたら台風を強調するも、元来、お客様への奉仕精神と愛社精神に富む私はある覚悟を心に決めた。
元来ボイラーは何か不測の事態に出くわすと、自己防衛と安全の為その活動を止めてしまう。
そしてリセットしてやると、元の通り何事もなかったように動き出す場合がある。ほら!パソコンの再起動、アレと一緒ですな。
悲しい事にその事を体験的に知っているB級ホテル屋オヤジは、ボイラー室に行って見る事にする。
ソコはホテルで一番高いところの屋上にあり、中城湾と日の出が見られる真に風光明媚な海抜100メートル地点。現在風速50メートル。
屋上へ上がると風の強さは思った程でもない。
決死の覚悟で身をかがめボイラー室へ向かう。
すると、どこからともなく“オズの魔法使い”のドロシー(だったかな?)が飛ばされた様なあの突風がやって来て、決して軽くない重心の低い僕の体を氷上のスケーターのように1メートルほど引きずった。
台風4号の怒りの反撃である。
《持って行かれる!ヤバイ!》
死の恐怖を感じながらイナバウアーのような格好で風に押される。
生存本能から必死にゴキブリの様に四つんばいになって風に立ち向かい、元の安全な場所に舞い戻った。
笑い事ではない! 多少の誇張はあるが死の淵からの奇跡の生還なのである。
バカヤロ!台風4号。俺はまだ生きているぜ!
そして台風の風が弱まった頃、ボイラーをリセットしてやるとボイラー君はホントに何事もなかったように、元の従順なB級ホテルのお湯供給係として働き始めた。
この台風確実に来るゾ!
気象庁の予報どおりピッタリと着実に予報官の書いたシナリオ通りに、近づいて来るではないか。
それてくれ! 一縷の望みに希望を託すのだが・・・。
ホテル屋にとって台風襲来ほどイヤな物はない。
外に置いてある備品や鉢植え、看板等の片付け。戸締り。
そして何よりも沢山の宿泊客を預かる身。その安全対策。
その仕事と言えば枚挙に暇がない。
さらに輪をかけて辛いのが停電である。
よくヒトは『ホテルは自家発電あるんでしょ!』と思っているらしいが、とんでもない誤解である。ライフラインの一部確保の為の小さな発電設備はあるが、全館をまかなうほどのあんなウン千万もするような機械設備を、一年に何回あるか分からない停電の為に設備する様な所は数える程だ。
大抵のホテルが設備するのは停電時に数時間だけ点灯する非常灯だけである。
これはあくまで緊急時の避難経路の確保の為なのだ。(消防法で義務付け)
ホテルで台風の為停電が起き、その状態が長時間続くとどうなるか? 想像してみよう。
まずテレビが見られなくなる。クーラーが効かないので暑い。そんなものは序の口。
我慢第1レベル。
夜だと電気が点かなくて暗くて不便。ローソクがあるではないか!
我慢第2レベル。
冷凍庫が作動していない為、庫内の肉や高級食材が徐々に腐り始める。クヤシーが仕方ない! 命までは奪われない。あきらめよう。
我慢第3レベル。
ホテルの給水塔(水タンク)は大抵屋上にある。したがって、電気モーターで水を揚げているので、いずれタンクの水は無くなる。
顔が洗えない。歯が磨けない。風呂が使えない。そんなモン2~3日サボったってどうって事はない。
これも、我慢第3レベル。
さて問題はココから。
ヒトには必然的生理現象がある。トイレの水が無くなったら?
小ならまだしも、大ならば・・・。そしてその現象は定期的にやって来るはずだ!
設定は台風で外に出られない! まるでホラー映画のようである。
ウーン! 食欲の無くなる話だ。
我慢不能レベル!
脱線している場合じゃない。話を元に戻す。
その悪魔のささやきは金曜の朝方にあった。
台風は予想通りの進路で暴風圏に突入。しかし我がB級ホテルはこれまで停電も雨漏りも無く順調そのものである。
その時、フロントF女史の容赦のない訴え。
『社長、お湯が出ません! お客様からクレームです。』
『台風なんだよ! ボイラーの故障だろう。水は出るんだからそれで入ってもらったら。台風なんだからサ~』
やたら台風を強調するも、元来、お客様への奉仕精神と愛社精神に富む私はある覚悟を心に決めた。
元来ボイラーは何か不測の事態に出くわすと、自己防衛と安全の為その活動を止めてしまう。
そしてリセットしてやると、元の通り何事もなかったように動き出す場合がある。ほら!パソコンの再起動、アレと一緒ですな。
悲しい事にその事を体験的に知っているB級ホテル屋オヤジは、ボイラー室に行って見る事にする。
ソコはホテルで一番高いところの屋上にあり、中城湾と日の出が見られる真に風光明媚な海抜100メートル地点。現在風速50メートル。
屋上へ上がると風の強さは思った程でもない。
決死の覚悟で身をかがめボイラー室へ向かう。
すると、どこからともなく“オズの魔法使い”のドロシー(だったかな?)が飛ばされた様なあの突風がやって来て、決して軽くない重心の低い僕の体を氷上のスケーターのように1メートルほど引きずった。
台風4号の怒りの反撃である。
《持って行かれる!ヤバイ!》
死の恐怖を感じながらイナバウアーのような格好で風に押される。
生存本能から必死にゴキブリの様に四つんばいになって風に立ち向かい、元の安全な場所に舞い戻った。
笑い事ではない! 多少の誇張はあるが死の淵からの奇跡の生還なのである。
バカヤロ!台風4号。俺はまだ生きているぜ!
そして台風の風が弱まった頃、ボイラーをリセットしてやるとボイラー君はホントに何事もなかったように、元の従順なB級ホテルのお湯供給係として働き始めた。
2007年06月05日
熟年スキッパー!VOL.2
前回よりの続き
このスキッパー男(正確にはこの時点ではまだスキッパーではないが)しばらく部屋で大人しくしていたらしいが、生来から落ち着きがない。ロビーに人影がなくなった頃再びフロントへ登場して、
“なぜ前金だといってくれなかった”
“前金制だと知っていたら泊まらなかった!”
などと悪態をついていたそうだがもうその頃には誰も相手にしなかった。
懲りないヤツ・・・。
そして翌朝、銀行へ行くと言い残して出て行ったきり帰って来なかった。予想通りの事である。
スキッパーの常套手段。
免許証のコピーは取らせてもらったが、おそらく何の意味もないであろう。
ない袖は振れない!
以前この事でケーサツに何度か相談した事がある。
無銭飲食はその場で押えれば立件可能。罪に問う事はできるが、ホテルの場合だと商契約の慣例で売り掛けや後日払いを認めてしまっている。
期日に支払いに来なくても、本人が支払う意思を示せば支払いの延滞でしかなく、それは民事事件になってしまい大変時間もかかり厄介である。 との事。
ケーサツはメンドーな事になった場合、大抵、“この場合は民事ですから・・・”
で逃げてしまうのだ。(交通事故の場合など)
今回のケースも、前述したように《売り掛け》《後日払い》を既に認めてしまっているので恐らくまともに取り合ってくれない。
スーパーで100円のガムを万引きすれば立派な犯罪であるが、ホテルで飲み食い宿泊して、その場で金払わずに
“いずれ必ず払う!”といい続ければ罪に問われる事はないということか・・・。
話を戻す。
しかしこちらも言われるままなすがままでは気が治まらん!
免許証によると本籍現住所とも鳥取県。○田○○る。62歳。
チェックインの際書いてもらったカードのあて先に電話をしてみる。
期待はしてなかったがそこは何と実の姉の家であった。
ごく普通の初老の田舎風素朴な話し振りの姉によると
“以前からたびたび同様の事があり尻拭いをしてきた。迷惑している”
“もうだいぶ前に兄弟の縁を切った”
“消息は分からないが沖縄に住む息子と暮らしているのではないか”
という情報を与えてくれた。
彼女も被害者の一人なのかもしれない。
ホテル名も電話番号も告げず、“そちらに害が及ぶ事は断じてない”と言い残し電話を切った。
しかし何たる非道。無銭飲食宿泊を繰り返しカードに姉の電話番号を書きいれ、免許証を何の臆面もなくコピーに差し出す。
厚顔無恥。
もしかしてタダメシ食えるムショへの入所希望者なのか?
恐らく金は支払ってもらえないだろうし、これ以上この件に関わっては対費用効果及び精神衛生上よろしくないのでこの辺で打ち切りにする。
最近つとに思うのは、ホテルに於けるこの類の詐欺的行為やクレーマー(ヤタラといちゃモンつける人)、UG客は圧倒的に年配者が多い。
本来ならば、社会的には若者の規範になるべき指導的立場の年齢層の方々の一部のヒトとはいえ、この乱れようは如何なるものか。
昨今の地球の環境の破壊・温暖化と相まってヒト社会の軸も少しずつぶれ始めてきたのではないか?
そう思うのは私だけなのだろうか。
終わり
このスキッパー男(正確にはこの時点ではまだスキッパーではないが)しばらく部屋で大人しくしていたらしいが、生来から落ち着きがない。ロビーに人影がなくなった頃再びフロントへ登場して、
“なぜ前金だといってくれなかった”
“前金制だと知っていたら泊まらなかった!”
などと悪態をついていたそうだがもうその頃には誰も相手にしなかった。
懲りないヤツ・・・。
そして翌朝、銀行へ行くと言い残して出て行ったきり帰って来なかった。予想通りの事である。
スキッパーの常套手段。
免許証のコピーは取らせてもらったが、おそらく何の意味もないであろう。
ない袖は振れない!
以前この事でケーサツに何度か相談した事がある。
無銭飲食はその場で押えれば立件可能。罪に問う事はできるが、ホテルの場合だと商契約の慣例で売り掛けや後日払いを認めてしまっている。
期日に支払いに来なくても、本人が支払う意思を示せば支払いの延滞でしかなく、それは民事事件になってしまい大変時間もかかり厄介である。 との事。
ケーサツはメンドーな事になった場合、大抵、“この場合は民事ですから・・・”
で逃げてしまうのだ。(交通事故の場合など)
今回のケースも、前述したように《売り掛け》《後日払い》を既に認めてしまっているので恐らくまともに取り合ってくれない。
スーパーで100円のガムを万引きすれば立派な犯罪であるが、ホテルで飲み食い宿泊して、その場で金払わずに
“いずれ必ず払う!”といい続ければ罪に問われる事はないということか・・・。
話を戻す。
しかしこちらも言われるままなすがままでは気が治まらん!
免許証によると本籍現住所とも鳥取県。○田○○る。62歳。
チェックインの際書いてもらったカードのあて先に電話をしてみる。
期待はしてなかったがそこは何と実の姉の家であった。
ごく普通の初老の田舎風素朴な話し振りの姉によると
“以前からたびたび同様の事があり尻拭いをしてきた。迷惑している”
“もうだいぶ前に兄弟の縁を切った”
“消息は分からないが沖縄に住む息子と暮らしているのではないか”
という情報を与えてくれた。
彼女も被害者の一人なのかもしれない。
ホテル名も電話番号も告げず、“そちらに害が及ぶ事は断じてない”と言い残し電話を切った。
しかし何たる非道。無銭飲食宿泊を繰り返しカードに姉の電話番号を書きいれ、免許証を何の臆面もなくコピーに差し出す。
厚顔無恥。
もしかしてタダメシ食えるムショへの入所希望者なのか?
恐らく金は支払ってもらえないだろうし、これ以上この件に関わっては対費用効果及び精神衛生上よろしくないのでこの辺で打ち切りにする。
最近つとに思うのは、ホテルに於けるこの類の詐欺的行為やクレーマー(ヤタラといちゃモンつける人)、UG客は圧倒的に年配者が多い。
本来ならば、社会的には若者の規範になるべき指導的立場の年齢層の方々の一部のヒトとはいえ、この乱れようは如何なるものか。
昨今の地球の環境の破壊・温暖化と相まってヒト社会の軸も少しずつぶれ始めてきたのではないか?
そう思うのは私だけなのだろうか。
終わり
2007年06月03日
熟年スキッパー!
以前にも書いたが、ホテル隠語でスキッパーとは宿泊飲食代を支払わずに、消えてしまう客の事である。
一年に何度か出没して、あの手この手のだましのテクニックを駆使し心優しきホテルマンの心を傷つけるヤカラだ。
ココの所お目にかからなかった。久々のご登場である。
5月のある晩、その男は WALK IN(予約なし)でやって来た。
当番のフロントはその日も、なぜかUG客(好ましくない客)接近遭遇回数圧倒的1位を誇るN君。1週間ぐらいの予定でチェックインした。
この男前金払うそぶりがなかったので、ウチナーテーゲー精神持ち主N君は、“まあいいか”で何の疑いも持たずにルームキーを渡した。
ここから物語は始まる。
この男、数分後にフロントへやって来て。
男 『スマンけどタバコ代を立て替えてくれ』
N君 『販売機からお買い求め下さい。』
男 『キャッシュカードの暗証3回間違えて使えなくて金がない、しかし明日には金が届くから・・・』
N君 『それだけは出来かねます!今日は我慢してください』
何度も痛い目にあってきたN君、賢明なる対応である。
あきらめた男、レストランへ行き豪華な夕食とビールをたらふく飲んで(もちろんツケで)どこかへ出てかけていった。
もうその時には既にN君の胸の内には、もやもやっとした暗雲がたちこみ始めていたのだ。要チェクリストに男を登録していた。
あとで判明した事だが、レストランのベテランウエイトレスのK嬢は、この男にタバコ代をしつこく無心され“チムグルサヨ~(かわいそう)”と何の疑いも持たず300円貸したそうだ。
まったくウチはお人好しばかりなのである。
この男人相普通、年齢62歳、関西系の言葉を使い、何かと注文が多く横柄だがどこかトロそうでオドオドした感じがする、年齢の割にはすらっとした体型のオッサンであった。挙動不審!
翌朝、この男は早くも本領発揮で朝から朝食にビールをつけて満足顔で部屋ツケ伝票にサインして、ひがな何をする訳でもなく館内をぶらぶら。
最初は遠慮がちであったがこの辺りから次第に態度がでかくなってきて、お次は堂々と昼飯に又ビール。
ココで私の方に“あやしい客宿泊中”の報告が入ったのだ。
イヤイヤながら、行動を起こす。
私 『あの~○○様、今までの分お支払いいただけますか?ウチは完全前金制度ですよ』
男 『いや、昨日のニイチャンはサインで何でも食べていいって・・・』
私 『それじゃあお部屋代だけでもいただきましょうか?』
男 『実はカクカクシカジカで、今日か明日には必ず金が届く!』
私 『それじゃあ、特別に明日まで待ちましょう! 明日までにお支払いいただけない場合、しかるべき処置をとります』
普通は客にそこまで言わない。
しかし私はこの時点で長年の経験からカレが消えるのを確信したし、さらに悪い事にスタッフがサインでの掛けを認めてしまっているのである。
『被害は最小限に!』なのだ。少し釘を刺しておこう。
しかし私の忠告も意に介してない様子でその行動はますますエスカレートする。件の男がよっぽど酒飲み相手が欲しかったのか、臭気を漂わせたホームレス風の男と酒ビンもって部屋へ入っていったとの事。そして酒がなくなると今度は二人してレストランへ来て酒とビールとつまみを注文した。
まさに盗人猛々しいとはこの事。
さすがに温厚な?私もこれにはキレた!
私 『お客さん、いいかげんにしてよ! 何ですかこれは』
少しぞんざいに言う。
男 『いやあ、彼とは昨日友達になってな・・・』
私 『そんなことを言ってるんじゃない! あなた、お金がないからといってこれはないでしょう!金が無いならないなりの過ごし 方があるでしょう。朝からずっとツケで酒飲んで! 明日まで待つという我々の善意にこのような形でお答えするのですか? 無銭飲食で今ケーサツ呼びますか?』
一度ツケを認めておきながら、どう使おうがカレの勝手だ。己の論理に無理があるのは百も承知。しかし物事には節度という物がある。このまま放置すればやりたい放題できっと他の客にも迷惑がかかる。開き直られたら金取らずに追い出すだけだ。
やはりこの類のヒトは、後ろめたさがあるのでこっちに強く出られると態度がガラッと変わる。平身低頭『スミマセン!』を連発しながらホームレス氏を虫けらのように追い払い、そそくさと逃げるようにレストランから出て行った。
この話次回へつづく
2006年12月30日
バカ息子アホ親父=後日談
前回、前々回とご紹介した「バカ息子アホ親父」はかなりの反響がありました。
たくさんの皆様から励まし?のコメントを頂き勇気百倍、力が湧いてまいりました。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
ずぼらな私ですが創作意欲と話題の続く限りB級ホテル情報を提供していく所存であります。
そして幸いにもこの物語(ノンフィクションですよ)に登場した親父はこのブログを読んだ様子はなく、WILD CATS 隊長の警備の手を借りる事もなく、秘密組織からの暗殺の魔の手は伸びてこず、
未だ生きながらえております。
ホテル事件簿=スキッパー編はまだ続きますが。次のストーリーに行く前にもう少しだけこの話題で時間を下さい。
さて、この「バカ息子アホ親父」には後日談がある。
デイゴホテルにて息子の不始末を精算した親父は、同様に踏み倒しをした(それどころか車の窃盗に近い無断借用)Jレンタの営業所の場所と電話番号をしつこく聞いていたが、その後どうなったのか気にはなっていた。
するとタイミングよくJレンタ担当者からの電話。
「専務!あの例の不良債権回収できました!そちらから案内されてきたようで、ありがとうございました!」
「実は私共完全にあきらめておりました。本当にありがとうございました。」
赤ら顔オヤジはホテルを辞してあと、すぐその足でJレンタの営業所へ出向いたらしい。
そして同様の態度でそそくさと支払いを済ませ(おそらく悪態もついたに違いない)逃げるように去って行ったと言う。
息子の悪事の足跡を完全に消し去ろうという作戦なのだろう。
そんな事よりも、Jレンタ担当者は未収金を回収できた事がよっぽどうれしいらしい。
妙にうわついている。
そして意味深な含み笑いをにじませながら、変な事を言うではないか。
「いったいどの様なウラ技を使ったのですか?あの手のオヤジがそんな簡単に息子の借金を払うわけがない。絶対何かウラがある。奥の手は何ですか?」
話が変な方向へ展開してきた。つまり彼の言う「ウラ技」「奥の手は」は、あまり大きな声でいえない後ろ暗い方法の事のようだ。
例えば
* 役人を買収もしくは政治家に献金して国家権力を駆使させ、相手を一見合法的に陰湿にジメジメと別件で脅す。(ケーサツ等)
* 探偵等を使い相手の弱みを調べ上げ、そこに徹底的に付け入り、有利なる直接交渉を展開。
* 裏社会の人間に債権の回収を依頼して、徹底的に締め上げる。
* 親父のカイシャに乗り込み、バカ息子の悪事を上司並びに同僚に暴露し精神的に追い詰める。
の類の事を指すようである。
とんでもない!
これは言い換えると『権力の悪用』『卑劣』『非合法』『圧力』『オドシ』ではないか?
我々はやせてもかれてもまっとうな表街道を歩くB級ホテル屋だ。
そのような世界の人間とは縁もなく、その方法すら思いつかないし(といいつつ書いているのであるが・・・)、第一その払う代償と回収金を天秤にかけても割に合わん。
この事件は社会的責任感の未熟な青年が引き起こした料金踏み倒し事件を、そのオヤジ氏が息子の身(己の身)をおもんばかり後始末をした。と言うだけのどこにでもありそうな出来事なのだ。
ただ少しばかり(最終的に金は払ったので少しばかりという表現にとどめる)社会的常識の欠如した高圧的なオヤジの登場で、話が面白く、イヤ複雑になったのである。
あれから担当J レンタ氏に会う機会がなく、そして彼は別の営業所に転勤して行った。
私の釈明にいったんは納得した様子だったが、彼のその目が疑惑の80%光線を放射していた事を未だに忘れない。
たくさんの皆様から励まし?のコメントを頂き勇気百倍、力が湧いてまいりました。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
ずぼらな私ですが創作意欲と話題の続く限りB級ホテル情報を提供していく所存であります。
そして幸いにもこの物語(ノンフィクションですよ)に登場した親父はこのブログを読んだ様子はなく、WILD CATS 隊長の警備の手を借りる事もなく、秘密組織からの暗殺の魔の手は伸びてこず、
未だ生きながらえております。
ホテル事件簿=スキッパー編はまだ続きますが。次のストーリーに行く前にもう少しだけこの話題で時間を下さい。
さて、この「バカ息子アホ親父」には後日談がある。
デイゴホテルにて息子の不始末を精算した親父は、同様に踏み倒しをした(それどころか車の窃盗に近い無断借用)Jレンタの営業所の場所と電話番号をしつこく聞いていたが、その後どうなったのか気にはなっていた。
するとタイミングよくJレンタ担当者からの電話。
「専務!あの例の不良債権回収できました!そちらから案内されてきたようで、ありがとうございました!」
「実は私共完全にあきらめておりました。本当にありがとうございました。」
赤ら顔オヤジはホテルを辞してあと、すぐその足でJレンタの営業所へ出向いたらしい。
そして同様の態度でそそくさと支払いを済ませ(おそらく悪態もついたに違いない)逃げるように去って行ったと言う。
息子の悪事の足跡を完全に消し去ろうという作戦なのだろう。
そんな事よりも、Jレンタ担当者は未収金を回収できた事がよっぽどうれしいらしい。
妙にうわついている。
そして意味深な含み笑いをにじませながら、変な事を言うではないか。
「いったいどの様なウラ技を使ったのですか?あの手のオヤジがそんな簡単に息子の借金を払うわけがない。絶対何かウラがある。奥の手は何ですか?」
話が変な方向へ展開してきた。つまり彼の言う「ウラ技」「奥の手は」は、あまり大きな声でいえない後ろ暗い方法の事のようだ。
例えば
* 役人を買収もしくは政治家に献金して国家権力を駆使させ、相手を一見合法的に陰湿にジメジメと別件で脅す。(ケーサツ等)
* 探偵等を使い相手の弱みを調べ上げ、そこに徹底的に付け入り、有利なる直接交渉を展開。
* 裏社会の人間に債権の回収を依頼して、徹底的に締め上げる。
* 親父のカイシャに乗り込み、バカ息子の悪事を上司並びに同僚に暴露し精神的に追い詰める。
の類の事を指すようである。
とんでもない!
これは言い換えると『権力の悪用』『卑劣』『非合法』『圧力』『オドシ』ではないか?
我々はやせてもかれてもまっとうな表街道を歩くB級ホテル屋だ。
そのような世界の人間とは縁もなく、その方法すら思いつかないし(といいつつ書いているのであるが・・・)、第一その払う代償と回収金を天秤にかけても割に合わん。
この事件は社会的責任感の未熟な青年が引き起こした料金踏み倒し事件を、そのオヤジ氏が息子の身(己の身)をおもんばかり後始末をした。と言うだけのどこにでもありそうな出来事なのだ。
ただ少しばかり(最終的に金は払ったので少しばかりという表現にとどめる)社会的常識の欠如した高圧的なオヤジの登場で、話が面白く、イヤ複雑になったのである。
あれから担当J レンタ氏に会う機会がなく、そして彼は別の営業所に転勤して行った。
私の釈明にいったんは納得した様子だったが、彼のその目が疑惑の80%光線を放射していた事を未だに忘れない。
2006年12月29日
バカ息子アホ親父=前回のつづき
「バカ息子、アホ親父」前回よりのつづき
さて、運命の日は来たるべくしてやって来た。
つまり、彼らに書かせた念書に記された支払いの期日である。
支払いがないと当局に通達、ケーサツ行くぞ!と明記してある。
やはりというか思った通りというか何の音沙汰も無し。
1日待ってケータイに連絡するが、やはり『現在使われておりません』
口頭での催促は不可能となった。
常習者の計画的犯行説が有力だ。あきらめムードが漂い始めた。
しかしB級ホテルマンをあなどってはいけない。
以前にも書いたが、ここで犬の嗅覚、フロント探偵普久原の登場だ。
とりあえずスキッパーの片割れ、沖縄市に住民票を置く(免許証にて確認)20歳青年の住所から電話番号を検索すると、ある家にヒットした。
深呼吸して精神状態を整えダイアルする普久原であった。
電話に出たお父さん
「確かに、○○は私の息子だが、何か…?」
「いらっしゃいましたら、お電話に出していただきたい」
「息子は本土の大学に通っていて今はいない」
「実は、大変申し上げにくいのですが『カクカクシカジカ』でこのような状況です。連絡先でも教えていただけないでしょうか?」
Jレンタの件もついでに説明した。あくまで淡々と…。
バカ息子の犯罪的行動にふつふつと怒りがこみ上げてきたらしい。
そしてあろうことか怒りの鉾先がこちらへ向いてきた。
「何で前金とらないんだ!金のない奴をなぜ泊める!」
「おっしゃるとおりです。息子さんを信用した我々も浅はかでした」
皮肉も意に介さず
「金取らなかったあんたらが悪い!俺にはカンケーないね!ウンあんたらが悪い!
俺は払う義務などないね!」
完全に逆切れしてまくし立てた。
「我々は何もお父さんに払ってくれと言っているのではありません。連絡先を教えていただくか、
もしくはお父さんの方から、こちらに連絡する様説得して欲しいのです。もしかしたらもう一人の子に
たぶらかされている可能性だってあるのですよ。ちゃんと念書もとってあります。お疑いならお見せしますよ」
「とにかく俺は知らん。連絡先を教えるわけにはいかん!」
今流行の振り込め詐欺と勘違いされたのか息子を信ずる親心か、それにしてもこの対応はあまりに横柄だ。
「わかりました。とにかく息子さんに状況を確認してください。2~3日待ちます。それでも連絡なき場合は約束通り被害届けを提出します。念書の住所はそちらなので、警察から何らかの問い合わせがあるはずです。」
「・・・・。」
らちが明かないので電話を切った。
いったい糾弾されるべきはどちらの方なのだろう。
部屋代踏み倒された上に、相手の逆切れ攻撃に取り合っていたらさすがのB級ホテルウーマンも身が持たない。
こういう手合いはなかなか一筋縄ではいかないのだ。
何の音沙汰もなく2~3日が過ぎた頃。
私は怒りの鉄拳を筆にたくし、最後の親切心で内容証明つきの督促状を書いていた。
これが無視されたら今度こそ訴えてやる。
するとその時、色白赤ら顔の小太りのオッサンがホテルに現れ、フロント普久原になにやら噛み付いてくる。話の断片からどうもスキッパー野郎のオヤジのようである。
ついに電話だけでは気が済まず、直接講義にやってきたのか?まったく恥知らずなオヤジだ。
しばらく話を聞いてみよう。
「俺はね、この前出張へ行ってきたよ。そしたらそのホテルでは前金取られたぞ!これがホテルの常識だろ!常識!何で息子から取らなかったんだ。あんたらおかしいんじゃないか。」
スキッパーのオヤジに常識論を説教されるいわれはない。しかし行き場のない怒りに駆られたその舌鋒は、しばらくやみそうな気配がない。
「お言葉ですがねお父さん。息子さんを信用してお泊めした我々と、それに乗じておそらく計画的に宿泊代を踏み倒した息子さん、いったいどちらの方がワルイのですか?」
我慢出来ずに私も精一杯の皮肉を込め冷静に言い放った。
しかし、これは少し効いたらしい。赤ら顔をさらに赤くして吐き捨てるように言った。
「いくらだ!」
「はっ?」
「今払う。これであんたらとは貸し借りなしだ!」
ブランド物の財布から万札を数枚惜しげもなく出して、全額(もう一人のスキッパーの分も)精算してそそくさと帰っていった。ついでにJレンタの営業所の所在地を確認して・・・。
あまりにも、あまりにもあっけない幕切れ。
未収金を回収できた喜びよりも脱力感が皆を襲ったが、なぜかすっきりしない。
本人は最初からそのつもり(支払うつもり)で来たらしいのだが、その態度は“息子の所業を恥じてお詫び申し上げ、成人とはいえまだ学生の身分である息子の監督責任者としての社会的道義的責任を果たした”と言えるものではなかった。
何とか面倒な事になるのだけは回避できた、バカ息子もお縄にならずに済んだ。やれやれ…。という感じですね。
普通の感覚ならこの事件、教育しそこなったバカ息子の尻ぬぐいをした親も被害者であるし、同情の気持ちも禁じえない。
しかし、とうとうこの親父の口からは我々に対する謝罪の言葉は一言も発せられなかった。
まさに《この親にしてこの子あり》なのだ。
この事は、奇跡の回収金としてホテルでも話題になり色々な憶測が流れた。
一番もっともらしく又、私もそれに同調するのだが、このオヤジどうも職業上の理由から息子の尻をぬぐったのではあるまいか、という説。
息子の悪事が表ざたになるとやばい仕事…。
なにやら秘密めいていて影を背負って生きている仕事。例えば、公安等警察関係、麻薬取締官、自衛官、内調(内閣調査室)、役人、政治屋(以上の関係者の方ごめんなさい。あくまでジョークですよ)、CIA、モサド、北朝鮮のスパイ、プーチンの部下…。
想像して楽しむ事にする。
このブログが出る頃、俺ももしかして消されているのでは…。
さて、運命の日は来たるべくしてやって来た。
つまり、彼らに書かせた念書に記された支払いの期日である。
支払いがないと当局に通達、ケーサツ行くぞ!と明記してある。
やはりというか思った通りというか何の音沙汰も無し。
1日待ってケータイに連絡するが、やはり『現在使われておりません』
口頭での催促は不可能となった。
常習者の計画的犯行説が有力だ。あきらめムードが漂い始めた。
しかしB級ホテルマンをあなどってはいけない。
以前にも書いたが、ここで犬の嗅覚、フロント探偵普久原の登場だ。
とりあえずスキッパーの片割れ、沖縄市に住民票を置く(免許証にて確認)20歳青年の住所から電話番号を検索すると、ある家にヒットした。
深呼吸して精神状態を整えダイアルする普久原であった。
電話に出たお父さん
「確かに、○○は私の息子だが、何か…?」
「いらっしゃいましたら、お電話に出していただきたい」
「息子は本土の大学に通っていて今はいない」
「実は、大変申し上げにくいのですが『カクカクシカジカ』でこのような状況です。連絡先でも教えていただけないでしょうか?」
Jレンタの件もついでに説明した。あくまで淡々と…。
バカ息子の犯罪的行動にふつふつと怒りがこみ上げてきたらしい。
そしてあろうことか怒りの鉾先がこちらへ向いてきた。
「何で前金とらないんだ!金のない奴をなぜ泊める!」
「おっしゃるとおりです。息子さんを信用した我々も浅はかでした」
皮肉も意に介さず
「金取らなかったあんたらが悪い!俺にはカンケーないね!ウンあんたらが悪い!
俺は払う義務などないね!」
完全に逆切れしてまくし立てた。
「我々は何もお父さんに払ってくれと言っているのではありません。連絡先を教えていただくか、
もしくはお父さんの方から、こちらに連絡する様説得して欲しいのです。もしかしたらもう一人の子に
たぶらかされている可能性だってあるのですよ。ちゃんと念書もとってあります。お疑いならお見せしますよ」
「とにかく俺は知らん。連絡先を教えるわけにはいかん!」
今流行の振り込め詐欺と勘違いされたのか息子を信ずる親心か、それにしてもこの対応はあまりに横柄だ。
「わかりました。とにかく息子さんに状況を確認してください。2~3日待ちます。それでも連絡なき場合は約束通り被害届けを提出します。念書の住所はそちらなので、警察から何らかの問い合わせがあるはずです。」
「・・・・。」
らちが明かないので電話を切った。
いったい糾弾されるべきはどちらの方なのだろう。
部屋代踏み倒された上に、相手の逆切れ攻撃に取り合っていたらさすがのB級ホテルウーマンも身が持たない。
こういう手合いはなかなか一筋縄ではいかないのだ。
何の音沙汰もなく2~3日が過ぎた頃。
私は怒りの鉄拳を筆にたくし、最後の親切心で内容証明つきの督促状を書いていた。
これが無視されたら今度こそ訴えてやる。
するとその時、色白赤ら顔の小太りのオッサンがホテルに現れ、フロント普久原になにやら噛み付いてくる。話の断片からどうもスキッパー野郎のオヤジのようである。
ついに電話だけでは気が済まず、直接講義にやってきたのか?まったく恥知らずなオヤジだ。
しばらく話を聞いてみよう。
「俺はね、この前出張へ行ってきたよ。そしたらそのホテルでは前金取られたぞ!これがホテルの常識だろ!常識!何で息子から取らなかったんだ。あんたらおかしいんじゃないか。」
スキッパーのオヤジに常識論を説教されるいわれはない。しかし行き場のない怒りに駆られたその舌鋒は、しばらくやみそうな気配がない。
「お言葉ですがねお父さん。息子さんを信用してお泊めした我々と、それに乗じておそらく計画的に宿泊代を踏み倒した息子さん、いったいどちらの方がワルイのですか?」
我慢出来ずに私も精一杯の皮肉を込め冷静に言い放った。
しかし、これは少し効いたらしい。赤ら顔をさらに赤くして吐き捨てるように言った。
「いくらだ!」
「はっ?」
「今払う。これであんたらとは貸し借りなしだ!」
ブランド物の財布から万札を数枚惜しげもなく出して、全額(もう一人のスキッパーの分も)精算してそそくさと帰っていった。ついでにJレンタの営業所の所在地を確認して・・・。
あまりにも、あまりにもあっけない幕切れ。
未収金を回収できた喜びよりも脱力感が皆を襲ったが、なぜかすっきりしない。
本人は最初からそのつもり(支払うつもり)で来たらしいのだが、その態度は“息子の所業を恥じてお詫び申し上げ、成人とはいえまだ学生の身分である息子の監督責任者としての社会的道義的責任を果たした”と言えるものではなかった。
何とか面倒な事になるのだけは回避できた、バカ息子もお縄にならずに済んだ。やれやれ…。という感じですね。
普通の感覚ならこの事件、教育しそこなったバカ息子の尻ぬぐいをした親も被害者であるし、同情の気持ちも禁じえない。
しかし、とうとうこの親父の口からは我々に対する謝罪の言葉は一言も発せられなかった。
まさに《この親にしてこの子あり》なのだ。
この事は、奇跡の回収金としてホテルでも話題になり色々な憶測が流れた。
一番もっともらしく又、私もそれに同調するのだが、このオヤジどうも職業上の理由から息子の尻をぬぐったのではあるまいか、という説。
息子の悪事が表ざたになるとやばい仕事…。
なにやら秘密めいていて影を背負って生きている仕事。例えば、公安等警察関係、麻薬取締官、自衛官、内調(内閣調査室)、役人、政治屋(以上の関係者の方ごめんなさい。あくまでジョークですよ)、CIA、モサド、北朝鮮のスパイ、プーチンの部下…。
想像して楽しむ事にする。
このブログが出る頃、俺ももしかして消されているのでは…。
2006年12月26日
バカ息子アホ親父
お待たせしました。お約束通り
ホテル事件簿=スキッパー編 第1話をお送りします。
去年のゴールデンウィークのことである。
大学生っぽい青年二人(実際大学生だった)がチェックイン、あれやこれやと言い訳して、
前金払わずに数日滞在。
フロントへ殆ど顔も出さず、夜中に活動し昼間は寝ている体たらくな生活をしていた。
客室の清掃が出来ないので電話で促すと『掃除はいらない』と言い、宿泊代の請求をすると
『これから銀行へ行ってきます』と言い、出て行ったきり夜中まで帰ってこない。
これを2~3回繰り返し埒があかない。
荷物は客室に置いたままで、あげくにルームキーも持ち歩いているので宿泊拒否も出来ず、
話し合おうにもなかなか捕まらない。
当然のことながら、UGリストに登録して監視を始めた矢先・・・。
取引先のJレンタカーから、《期限が来ても車を返却せず料金未払い》の不審人物照会の
電話が入った。
こいつらだ!
これは明らかに計画的犯行である。
逃げ得は許さない!さらに監視を強化。場合によっては警察の出番もありうる。
レンタカー屋は車のホテル駐車場への所在を確認の上で、合鍵にて回収する旨を伝えてきた。
待てども奴らはなかなかホテルに戻ってこない。こちらも彼等だけを見張っている訳ではないので、
どうしても監視がおろそかになる。
そしてその間隙を突いて、奴らは部屋に戻り荷物をまとめ、未返却《盗んだ》のレンタカーで
逃亡を謀ろうとする。
事はそううまくいかない。
違法借用レンタカーを回収に来たJレンタカー職員と、荷物を今まさに車に積まんとする卑劣な
スキッパー野郎達がホテル駐車場でばったり遭遇。
虚を突かれた彼らは、始めの内は威勢が良く
『逃げるつもりではない!荷物を積んでいただけだ。金はちゃんと払う!』
などと説得力のない言い訳をしていたらしいが、払う金のないスキッパー野郎は百戦錬磨の
Jレンタカーにーちゃんの鋭くも冷静な詰問に、観念したのかフロントにしょっ引かれてきた。
そこで今後の処遇を如何にするか3者(ホテル・Jレンタ・スキッパー)は協議に入る。
この手の輩は窮地に陥り圧倒的不利な状況を察知すると、とにかく一刻も早くこの場を逃れる為、
その場限りのどんな約束でもするし屈辱的に媚びへつらう事も辞さない。
最初の威勢はどこへやら、彼らは土下座せんばかりに深々と頭を下げ、神妙な面持ちで己の所業を侘び(ポーズだろう。きっと)、支払う意思の大きさを示す為《コピーをとってくれ》と免許証、健康保険カードを差し出し、携帯電話番号まで質に入れた。
支払期日を明記し“その日までに支払いなき場合は当局へ通報する”旨を記した念書にも何のためらいもなく母音を押捺した。
リーダー格は大阪在住の21歳自称大学生、もう一人は沖縄市に住民票を置く20歳、自称大学生であった。
経験豊富なJレンタマン、B級ホテルマンはこの芝居がかった行為をまともに信じた訳ではない。
とりあえず今現在の状況から
1. 彼らは現在持ち合わせの金が殆どない。ない袖は振れない。
2. 免許証等で素性は判明している。
3. 驚くほどの被害額でもない。(しかし腹は立つ!)
4. 彼らが奇跡的に良人に変身を遂げ、金を払いにくる。かすかな期待。
という事をJレンタ、B級ホテル間で確認し、
『望み薄だけど、とりあえず期日まで待ってみっか…。』
半分あきらめ顔で奇跡の到来を待つことにした。
そして運命の日はやってくる。
その先の意外な結末の前兆を漂わせながら…。
つづく
ホテル事件簿=スキッパー編 第1話をお送りします。
去年のゴールデンウィークのことである。
大学生っぽい青年二人(実際大学生だった)がチェックイン、あれやこれやと言い訳して、
前金払わずに数日滞在。
フロントへ殆ど顔も出さず、夜中に活動し昼間は寝ている体たらくな生活をしていた。
客室の清掃が出来ないので電話で促すと『掃除はいらない』と言い、宿泊代の請求をすると
『これから銀行へ行ってきます』と言い、出て行ったきり夜中まで帰ってこない。
これを2~3回繰り返し埒があかない。
荷物は客室に置いたままで、あげくにルームキーも持ち歩いているので宿泊拒否も出来ず、
話し合おうにもなかなか捕まらない。
当然のことながら、UGリストに登録して監視を始めた矢先・・・。
取引先のJレンタカーから、《期限が来ても車を返却せず料金未払い》の不審人物照会の
電話が入った。
こいつらだ!
これは明らかに計画的犯行である。
逃げ得は許さない!さらに監視を強化。場合によっては警察の出番もありうる。
レンタカー屋は車のホテル駐車場への所在を確認の上で、合鍵にて回収する旨を伝えてきた。
待てども奴らはなかなかホテルに戻ってこない。こちらも彼等だけを見張っている訳ではないので、
どうしても監視がおろそかになる。
そしてその間隙を突いて、奴らは部屋に戻り荷物をまとめ、未返却《盗んだ》のレンタカーで
逃亡を謀ろうとする。
事はそううまくいかない。
違法借用レンタカーを回収に来たJレンタカー職員と、荷物を今まさに車に積まんとする卑劣な
スキッパー野郎達がホテル駐車場でばったり遭遇。
虚を突かれた彼らは、始めの内は威勢が良く
『逃げるつもりではない!荷物を積んでいただけだ。金はちゃんと払う!』
などと説得力のない言い訳をしていたらしいが、払う金のないスキッパー野郎は百戦錬磨の
Jレンタカーにーちゃんの鋭くも冷静な詰問に、観念したのかフロントにしょっ引かれてきた。
そこで今後の処遇を如何にするか3者(ホテル・Jレンタ・スキッパー)は協議に入る。
この手の輩は窮地に陥り圧倒的不利な状況を察知すると、とにかく一刻も早くこの場を逃れる為、
その場限りのどんな約束でもするし屈辱的に媚びへつらう事も辞さない。
最初の威勢はどこへやら、彼らは土下座せんばかりに深々と頭を下げ、神妙な面持ちで己の所業を侘び(ポーズだろう。きっと)、支払う意思の大きさを示す為《コピーをとってくれ》と免許証、健康保険カードを差し出し、携帯電話番号まで質に入れた。
支払期日を明記し“その日までに支払いなき場合は当局へ通報する”旨を記した念書にも何のためらいもなく母音を押捺した。
リーダー格は大阪在住の21歳自称大学生、もう一人は沖縄市に住民票を置く20歳、自称大学生であった。
経験豊富なJレンタマン、B級ホテルマンはこの芝居がかった行為をまともに信じた訳ではない。
とりあえず今現在の状況から
1. 彼らは現在持ち合わせの金が殆どない。ない袖は振れない。
2. 免許証等で素性は判明している。
3. 驚くほどの被害額でもない。(しかし腹は立つ!)
4. 彼らが奇跡的に良人に変身を遂げ、金を払いにくる。かすかな期待。
という事をJレンタ、B級ホテル間で確認し、
『望み薄だけど、とりあえず期日まで待ってみっか…。』
半分あきらめ顔で奇跡の到来を待つことにした。
そして運命の日はやってくる。
その先の意外な結末の前兆を漂わせながら…。
つづく
2006年12月13日
B級ホテル事件簿=無銭宿泊
今日(12/12)発生したばかりのレアな話である。
沖縄県内で観光客を対象に運営するホテルは、“沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合”(略称 沖縄県ホテル組合)なる誰が命名したのか、やたら長ったらしい名前の組織があり大抵そこに加盟する。
その組織から時々《UG情報》なるものがFAXにて発信される。
UGとはホテル隠語で好ましくない客、つまり不良客情報である。
《UG情報》の殆どが無銭飲食宿泊客のことであるが、人相風体・名前・使用する偽名・年齢・特徴が詳しく記されていてまるで指名手配書のごとき物だ。
UG客の多くが数ヶ月間に渡ってその周辺のホテルを泊まり歩くという習性があるので、被害を最小限に抑えるための業界ぐるみの対策である。
普段は他人事のように
「ふーん、悪い奴がいるもんだなー気ぃつけような」
くらいで済ましていたのだが…。
我がB級ホテルベテランフロント普久原嬢は、人間関係問題には犬のような嗅覚の持ち主である。
昨日届いた手配書には何か本能的に引っ掛かる物があったらしい。
「専務、このUGもしかして、イヤ絶対に○○○号室のお客さんですよ!どうしましょうか?」
手配書と宿泊カード(チェックイン時に書かされるやつ)の住所が一致、家族構成も一致、レンタカーの車種も一致、本人の名前だけ偽名。
間抜けな奴。
手配書によると家族連れでの無銭宿泊で沖縄各地を転々、借りたレンタカーも返していないとの事。
この様な家族無銭宿泊旅行のパターンはあまり例がなく、その奇異な行動は理解に苦しむが、ナント当方でも宿泊料は一銭も払っておらず、いろいろと理由をつけては支払いを先延ばしにしているのだという。
このことに関しては無銭宿泊の典型的なパターンである。
「エエーイ!無銭宿泊などする奴は許せネー、即刻通報じゃ!」
と無銭宿泊には過去に数々の煮え湯を飲まされた私は、すぐさま発信元へ連絡。
しばらくすると発信元からの通報で県内の某警察署刑事課から彼らの所在を確認する電話があった。手配書の人物に対して数件の被害届けが出ているとの事、どうやら任意同行を求めるらしい。
もう私はこの時点で宿泊料の回収をあきらめていた。
この場合如何に被害額を少なく抑えるかがポイントだ。
もうかかわるのはゴメンだ!奴らをとっとと引っ張っていってくれ!というのがその時の正直な心境である。
やがて刑事が8人ほどやって来て被疑者の部屋の周辺と階段を固める。
なにやらテレビの刑事ドラマ風になってきた。
刑事達は私に立会いを求め、本人がドアを開けない場合合鍵での開錠を指示。ノックする、緊張が走る、どんな詐欺師キツネ顔が出てくるやら…。
1回目のノックでドアが開いた。
顔を出したのは拍子抜けする程ごく普通の青年でごく普通の人のよさそうな若いお父さん。
覚悟していたのか慣れっこなのか任意同行に素直に応じたので、我々は部屋の中へ入り(刑事ドラマでは“踏み込む”と表現するのかな)中を検分する。
中へ入り一同一瞬軽いサプライズ、情報にはなかったが奥さんは推定8ヶ月位のかなりお腹の大きな妊婦さん。
夫婦の3歳の子供は無邪気に来客を喜んでいる様子で屈託がなく人懐っこい。普通に見れば幸せ絶頂の若い家族の楽しい沖縄旅行という感である。
不払い宿泊レンタカータダ借りは犯罪行為だし、周りに迷惑を及ぼし噴飯もので容認できる行為ではない。しかし何があったかは知らないが、妊婦と小さな子供を連れての無銭旅行は尋常ではない。
単なる詐欺師なのかそれとも何かに追われて逃亡生活をしているのか、知る由もないが彼の顔はとても犯罪者のそれには見えなかった。
そして夫と妻子は別々に連行されて行くことになる。
二人とも達観したような落ち着きぶりであった。
静かな捕り物劇ではあったが、刑事に連れられていく奥さんの安堵感にも似た表情が印象的だった。
そして連行されるお父さんへ
「パパ、どこいくの? どこいくの?」
と無邪気に呼びかけていた3歳の子の声が今も耳にこびりついている。
真に後味の悪い出来事である。
しかし何でまた、無数にあるホテルの中からウチを選んだのか…。
今夜もまた眠れない…。
沖縄県内で観光客を対象に運営するホテルは、“沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合”(略称 沖縄県ホテル組合)なる誰が命名したのか、やたら長ったらしい名前の組織があり大抵そこに加盟する。
その組織から時々《UG情報》なるものがFAXにて発信される。
UGとはホテル隠語で好ましくない客、つまり不良客情報である。
《UG情報》の殆どが無銭飲食宿泊客のことであるが、人相風体・名前・使用する偽名・年齢・特徴が詳しく記されていてまるで指名手配書のごとき物だ。
UG客の多くが数ヶ月間に渡ってその周辺のホテルを泊まり歩くという習性があるので、被害を最小限に抑えるための業界ぐるみの対策である。
普段は他人事のように
「ふーん、悪い奴がいるもんだなー気ぃつけような」
くらいで済ましていたのだが…。
我がB級ホテルベテランフロント普久原嬢は、人間関係問題には犬のような嗅覚の持ち主である。
昨日届いた手配書には何か本能的に引っ掛かる物があったらしい。
「専務、このUGもしかして、イヤ絶対に○○○号室のお客さんですよ!どうしましょうか?」
手配書と宿泊カード(チェックイン時に書かされるやつ)の住所が一致、家族構成も一致、レンタカーの車種も一致、本人の名前だけ偽名。
間抜けな奴。
手配書によると家族連れでの無銭宿泊で沖縄各地を転々、借りたレンタカーも返していないとの事。
この様な家族無銭宿泊旅行のパターンはあまり例がなく、その奇異な行動は理解に苦しむが、ナント当方でも宿泊料は一銭も払っておらず、いろいろと理由をつけては支払いを先延ばしにしているのだという。
このことに関しては無銭宿泊の典型的なパターンである。
「エエーイ!無銭宿泊などする奴は許せネー、即刻通報じゃ!」
と無銭宿泊には過去に数々の煮え湯を飲まされた私は、すぐさま発信元へ連絡。
しばらくすると発信元からの通報で県内の某警察署刑事課から彼らの所在を確認する電話があった。手配書の人物に対して数件の被害届けが出ているとの事、どうやら任意同行を求めるらしい。
もう私はこの時点で宿泊料の回収をあきらめていた。
この場合如何に被害額を少なく抑えるかがポイントだ。
もうかかわるのはゴメンだ!奴らをとっとと引っ張っていってくれ!というのがその時の正直な心境である。
やがて刑事が8人ほどやって来て被疑者の部屋の周辺と階段を固める。
なにやらテレビの刑事ドラマ風になってきた。
刑事達は私に立会いを求め、本人がドアを開けない場合合鍵での開錠を指示。ノックする、緊張が走る、どんな詐欺師キツネ顔が出てくるやら…。
1回目のノックでドアが開いた。
顔を出したのは拍子抜けする程ごく普通の青年でごく普通の人のよさそうな若いお父さん。
覚悟していたのか慣れっこなのか任意同行に素直に応じたので、我々は部屋の中へ入り(刑事ドラマでは“踏み込む”と表現するのかな)中を検分する。
中へ入り一同一瞬軽いサプライズ、情報にはなかったが奥さんは推定8ヶ月位のかなりお腹の大きな妊婦さん。
夫婦の3歳の子供は無邪気に来客を喜んでいる様子で屈託がなく人懐っこい。普通に見れば幸せ絶頂の若い家族の楽しい沖縄旅行という感である。
不払い宿泊レンタカータダ借りは犯罪行為だし、周りに迷惑を及ぼし噴飯もので容認できる行為ではない。しかし何があったかは知らないが、妊婦と小さな子供を連れての無銭旅行は尋常ではない。
単なる詐欺師なのかそれとも何かに追われて逃亡生活をしているのか、知る由もないが彼の顔はとても犯罪者のそれには見えなかった。
そして夫と妻子は別々に連行されて行くことになる。
二人とも達観したような落ち着きぶりであった。
静かな捕り物劇ではあったが、刑事に連れられていく奥さんの安堵感にも似た表情が印象的だった。
そして連行されるお父さんへ
「パパ、どこいくの? どこいくの?」
と無邪気に呼びかけていた3歳の子の声が今も耳にこびりついている。
真に後味の悪い出来事である。
しかし何でまた、無数にあるホテルの中からウチを選んだのか…。
今夜もまた眠れない…。
2006年11月30日
悲しい仕事2
さて私もこれまで色々なアクシデントに遭遇したが、お次は一番悲しかったアクシデントをご紹介したい。
この先、食事前の方はご遠慮下さい。
あれは忘れもしない20数年前のとある日曜日のお話。
ごくごく平凡な日々の午後、けたたましくフロントの電話が鳴った。
「トイレが流れないのです」
と客室より女性からの悲痛なSOS受信。
良くあることなので、例のモスクの屋根に電柱を立てたようなほら、あのすっぽんすっぽんいうゴム式手動式バキューム装置。あれね、それをもって部屋へ急行。
その時はまだ余裕があるので、女性の顔に似合わぬデカイ汚物にほくそえみながらも、すぐに終わるだろうとたかをくくり作業を開始した。
ところが無常にも配水管は開通してくれない。
色々試みるがこの動脈硬化なかなかの強敵だ。
そうこうする内、その隣の部屋から又その隣の隣の部屋からも同様の訴えが相次ぎ、“この問題はここの部屋だけの問題ではない”事を確信し外にある排水溝のマンホールのふたを開け中をのぞくと、ナ・ナント灰色に濁った液体がマンホール内に充満しているではないか!
要するに北側排水溝の本管そのものが詰っているのだ。
ホテルのほぼ半分の汚物が館外へ排出できないことになる。
想像しただけで胸が悪くなる。
私はプロの業者を呼ぶことを決意。あちこち手配するも本日は日曜日。どこにも連絡がつかず、途方にくれた。
さらに悲痛なSOSは伝染病の如く伝播し、もう一刻の猶予も許さない。
ここで私は決意した!原因はわかっている。対処法は単純だ。詰っているものを取り除けばよい。
しかしその箇所は汚物で混濁した液体の水面下60センチメートルのところにある。
そしてその臭いたるや凄まじいものがある。
汲み取り式便所を分からない読者は、あのほら、祭りとかでよくある簡易式便所をご想像頂きたい。あれをもっと顔に近づけてかいだ臭いですな、まるで。
プロの業者はマジックハンドなる便利なものを持っているが、ウチにはそんなたいそうなものはない。マイハンドでやるしかないのだ!
「エエイ!」と勇気を振り絞り、マイハンドを灰色の液体の中に突っ込む。
そして詰まった排水溝の中から残存物を取り出す。
でるわでるわ!生理用品からひげそり・歯ブラシ・わけの分からんビニールの包み紙、何でこんなものトイレに流すの?と人の常識を疑いたくなるものがでてくる。しばらく、詰まった異物をとり除く快感とただよう臭気の妙なコラボレーションに奇妙な感覚で作業を進めていった。
ちょうど水面と目線がほぼ一緒のその時、向こう側から“どんぶらこ、どんぶらこ”と黒いバナナ上の物体が流れてくる。
そう!○○である!
回避しようにもマイハンドは異物撤去作業中。
体は膠着し言うことを聞かない。
数秒後○○は私の鼻先をかすめほほをなでながら悠然とその黒い体に威厳を放ち去っていった。
卒倒しそうになる気力を何とか持ちこたえ、放心状態で作業を終えた。
配水管は無事開通。最悪の事態は免れたがその達成感よりも私の濡れた体から放つ強烈な臭気が、まだ若干20数歳の青年の羞恥心とプライドをいたく傷つけた。
一生で一番長い風呂に入った後、母親が言った。
「ホテル屋は何でもやらなきゃダメなのよ」
とやさしく言ったが、その口元が奇妙な笑みを含んでいた事を僕は今でも忘れない。
この先、食事前の方はご遠慮下さい。
あれは忘れもしない20数年前のとある日曜日のお話。
ごくごく平凡な日々の午後、けたたましくフロントの電話が鳴った。
「トイレが流れないのです」
と客室より女性からの悲痛なSOS受信。
良くあることなので、例のモスクの屋根に電柱を立てたようなほら、あのすっぽんすっぽんいうゴム式手動式バキューム装置。あれね、それをもって部屋へ急行。
その時はまだ余裕があるので、女性の顔に似合わぬデカイ汚物にほくそえみながらも、すぐに終わるだろうとたかをくくり作業を開始した。
ところが無常にも配水管は開通してくれない。
色々試みるがこの動脈硬化なかなかの強敵だ。
そうこうする内、その隣の部屋から又その隣の隣の部屋からも同様の訴えが相次ぎ、“この問題はここの部屋だけの問題ではない”事を確信し外にある排水溝のマンホールのふたを開け中をのぞくと、ナ・ナント灰色に濁った液体がマンホール内に充満しているではないか!
要するに北側排水溝の本管そのものが詰っているのだ。
ホテルのほぼ半分の汚物が館外へ排出できないことになる。
想像しただけで胸が悪くなる。
私はプロの業者を呼ぶことを決意。あちこち手配するも本日は日曜日。どこにも連絡がつかず、途方にくれた。
さらに悲痛なSOSは伝染病の如く伝播し、もう一刻の猶予も許さない。
ここで私は決意した!原因はわかっている。対処法は単純だ。詰っているものを取り除けばよい。
しかしその箇所は汚物で混濁した液体の水面下60センチメートルのところにある。
そしてその臭いたるや凄まじいものがある。
汲み取り式便所を分からない読者は、あのほら、祭りとかでよくある簡易式便所をご想像頂きたい。あれをもっと顔に近づけてかいだ臭いですな、まるで。
プロの業者はマジックハンドなる便利なものを持っているが、ウチにはそんなたいそうなものはない。マイハンドでやるしかないのだ!
「エエイ!」と勇気を振り絞り、マイハンドを灰色の液体の中に突っ込む。
そして詰まった排水溝の中から残存物を取り出す。
でるわでるわ!生理用品からひげそり・歯ブラシ・わけの分からんビニールの包み紙、何でこんなものトイレに流すの?と人の常識を疑いたくなるものがでてくる。しばらく、詰まった異物をとり除く快感とただよう臭気の妙なコラボレーションに奇妙な感覚で作業を進めていった。
ちょうど水面と目線がほぼ一緒のその時、向こう側から“どんぶらこ、どんぶらこ”と黒いバナナ上の物体が流れてくる。
そう!○○である!
回避しようにもマイハンドは異物撤去作業中。
体は膠着し言うことを聞かない。
数秒後○○は私の鼻先をかすめほほをなでながら悠然とその黒い体に威厳を放ち去っていった。
卒倒しそうになる気力を何とか持ちこたえ、放心状態で作業を終えた。
配水管は無事開通。最悪の事態は免れたがその達成感よりも私の濡れた体から放つ強烈な臭気が、まだ若干20数歳の青年の羞恥心とプライドをいたく傷つけた。
一生で一番長い風呂に入った後、母親が言った。
「ホテル屋は何でもやらなきゃダメなのよ」
とやさしく言ったが、その口元が奇妙な笑みを含んでいた事を僕は今でも忘れない。
2006年11月28日
悲しい仕事
ホテルでは実に様々なアクシデントが起きる。
お客様の急な病気、事故、産気づき、夫婦喧嘩、窃盗、詐欺、etc. 救急車や警察を呼ぶこともしばしばあり、さらには、お湯が出ない、水が出ない、クーラーが効かない、水漏れ、トイレのつまり、テレビの故障、停電、等々、思いつくままに述べても枚挙に暇がない。
おおまかには、人的なアクシデントと施設的なアクシデントに大別されるのではないだろうか。
その要因としては、人的アクシデントは本人及びホテル側の不注意、運、めぐり合わせ、不可抗力等が考えられるが、実際にはホテル側の不手際よりも自己発生的(病気、けんか等)事件が圧倒的に多く、大抵の場合は
「運が悪かったのね!しょーがないしょーがない!」
自己納得で片付く。
しかしそれが施設的なアクシデントとなるとそうはいかない。
例えば、クーラーの故障の場合。
「どういう施設管理やっとんねん!! もっと勉強せーよ!!」
などと教条的ありがたきお言葉を頂き、
例えば、ボイラーの故障の場合。
「冷たい水で風呂は入れってのかー!風引いたら責任とるんだろナ~!」
この10年程風邪などひいたことのなさそうな顔のオッサンが、責任論の講義などしてくださる。
Bホテルマンひたすら平身低頭。ヒトは怒りの鉾先を見つけると、その方向へまっしぐらに向かうのだ。
まあ今の話は極端な例ではあるのですが、何を言いたいかというとですな、言い訳がましく聞こえるでしょうが、実はこの施設面の突発的なアクシデントこそが不可抗力の要素が強いのです。
人間誰しも怒鳴られたりイヤミを言われたりするのは厭なもの、ましてその為ドレイのごとく頭を下げるのはもっと厭。日頃から機械や施設のメンテナンスには気を使うところであるが、どんなに優れものでもヒトと一緒で、いつか必ず壊れる時が来る。ヒトはそれを告げる事が出来るが、機械やコンクリートや水道管は物言わぬ為、それがいつなのか解らない。
その時の対応の優劣によって、優秀なホテルマンか良いホテルかの判別がつくのではなかろうか。
大抵の場合“すばやい原状回復(修理できるもの)”“別の客室を準備する”で片がつくが、そのどちらもダメな場合、つまり修理が不能で別の室を準備できない場合(つまり満室)いかなる手で切り抜けるのか?読者の皆さんにご想像頂きたい。(コメントにどしどしご意見お寄せ下さい)
とこの辺で夜も更けてまいりました。
この続きは明日に譲りたい。
次回は表題の下となった実際の経験をご紹介したい。
この話少々クサイが期待できますぞ!
お客様の急な病気、事故、産気づき、夫婦喧嘩、窃盗、詐欺、etc. 救急車や警察を呼ぶこともしばしばあり、さらには、お湯が出ない、水が出ない、クーラーが効かない、水漏れ、トイレのつまり、テレビの故障、停電、等々、思いつくままに述べても枚挙に暇がない。
おおまかには、人的なアクシデントと施設的なアクシデントに大別されるのではないだろうか。
その要因としては、人的アクシデントは本人及びホテル側の不注意、運、めぐり合わせ、不可抗力等が考えられるが、実際にはホテル側の不手際よりも自己発生的(病気、けんか等)事件が圧倒的に多く、大抵の場合は
「運が悪かったのね!しょーがないしょーがない!」
自己納得で片付く。
しかしそれが施設的なアクシデントとなるとそうはいかない。
例えば、クーラーの故障の場合。
「どういう施設管理やっとんねん!! もっと勉強せーよ!!」
などと教条的ありがたきお言葉を頂き、
例えば、ボイラーの故障の場合。
「冷たい水で風呂は入れってのかー!風引いたら責任とるんだろナ~!」
この10年程風邪などひいたことのなさそうな顔のオッサンが、責任論の講義などしてくださる。
Bホテルマンひたすら平身低頭。ヒトは怒りの鉾先を見つけると、その方向へまっしぐらに向かうのだ。
まあ今の話は極端な例ではあるのですが、何を言いたいかというとですな、言い訳がましく聞こえるでしょうが、実はこの施設面の突発的なアクシデントこそが不可抗力の要素が強いのです。
人間誰しも怒鳴られたりイヤミを言われたりするのは厭なもの、ましてその為ドレイのごとく頭を下げるのはもっと厭。日頃から機械や施設のメンテナンスには気を使うところであるが、どんなに優れものでもヒトと一緒で、いつか必ず壊れる時が来る。ヒトはそれを告げる事が出来るが、機械やコンクリートや水道管は物言わぬ為、それがいつなのか解らない。
その時の対応の優劣によって、優秀なホテルマンか良いホテルかの判別がつくのではなかろうか。
大抵の場合“すばやい原状回復(修理できるもの)”“別の客室を準備する”で片がつくが、そのどちらもダメな場合、つまり修理が不能で別の室を準備できない場合(つまり満室)いかなる手で切り抜けるのか?読者の皆さんにご想像頂きたい。(コメントにどしどしご意見お寄せ下さい)
とこの辺で夜も更けてまいりました。
この続きは明日に譲りたい。
次回は表題の下となった実際の経験をご紹介したい。
この話少々クサイが期待できますぞ!
2006年11月02日
“涙そうそう”長澤サンの場合
“涙そうそう”いまだその勢い衰えず、好調な劇場動員数との事。
前回妻夫木さんについて書いたので、今回はその妹役の長澤まさみさんについて書いてみたい。
彼女はまだ今春高校を卒業したばかりの初々しさ。
印象はフツーの女の子だが、美人で背が高くテレビで見るより格段に細い。
普段はイマドキの女の子の普通の格好をしていて、ホテル内ロビーをうろうろしていても誰も女優さんだとは気づかないが(まさかこんなしょぼいホテルに芸能人がいる訳がない!と皆思っている)さすがにその容姿は人目を引くと見えて、すれ違う人は男女の区別なく振り返る。
彼女に関してのエピソード?があるので紹介したい。
撮影に入ってから2週間位過ぎたあたりか、デイゴホテルに“長澤・妻夫木が映画の撮影で宿泊”のウワサが巷に流れ始めた頃。
目つきの異様な青年がロビーをうろつき始めた。
毎日のように朝来て夕方近くまで椅子に座ってボーっとしたり、暇をもてあますようにロビーのパソコンをいじってみたり、なんとなく不気味である。
慣れてきたのか何日かするとホテルスタッフに
“長澤まさみ”は「今ホテルにいるか?」だの「今日はどこに行っているの?」
「何時に帰ってくるの?」
などと聞くので、そこで初めて《長澤会いたさ》の熱狂的(狂信的?)なファンだとわかったが、原則的にホテルロビーはいわゆるパブリックスペースを標榜しているため、実害がある訳ではないのでめったやたら客を追い出すわけには行かない。
しばし《要観察》とスタッフに指示したが、《もし、接近遭遇したら…》を考えると気が気ではない。しかし彼の登場時間は比較的朝遅くいつも本人が出かけた後で、我々はこの習慣が変わらぬ事を祈るのみだ。
やはり物事はいつもうまくいくとは限らない。
彼(以後オッカケ君)が忍耐強く待ち続け一週間が過ぎた頃、思いが通じたのかその日の長澤さんは仕事がお休みでお部屋で休養中。いつものようにオッカケ君はロビーに出勤してきた。一瞬にして緊張感があたりに立ちこめ不穏な空気が流れる。
そして悪いことにお昼頃、長澤さんがホテルのレストランで食事を取りたいとのオーダーが入る。
慌てふためくスタッフ!つっ…ついに接近遭遇か?
熟考の末ここは正直にマネージャーに“オッカケ君待機”の事の顛末を伝える。
さすがに百戦錬磨のマネジャー氏は
「良くあることです。じゃあ部屋でごはんを食べさせます。」
と涼しい顔でさっさと食事を部屋に運んでいった。そしてあべこべに
「お気遣いありがとうございます。」
とお礼まで言われてしまった。
何とかこの場は難を逃れたが、又いつ同様のことが起こるかと考えると気が気でない。そして話は思わぬ方向へ…。
翌日、なっナント!オッカケ君が増えているではないか!
同じ目線を持ったセーネンがふたりしてまんじりともせず、ロビーの椅子に腰掛けている。僕は目の前が真っ暗になった。ソーゾーしてみて下さい皆さん!
《これは何とかせねばなるまい》フロント緊急協議会を開く。
「ちゃんとお話して出て行ってもらおう。」
「俺は客だと開き直られたらどうする?」
「飛び道具などひそかに隠し持っていたりして…?」
相手の素性が定かでないと想像だけが膨らみ、オッカケ君A・Bが怪物みたいに見えてくるから不思議だ。
誰かが何らかのアクションを起こさねばならないという事で意見は一致するのであるが、「さて、誰が行く」ということになると議論が進まない。
結局、B級ホテルの悲哀でなんもせんむが、ホテル側の意向を伝えに行くことになる。
イラクに向かうマリン兵の如くすごすごと、それでもカラ余裕の笑みをたっぷり浮かべて…
「あなた達最近良くここへ来ているみたいだけど、なぜなのかな?」
ホテルの責任者だという威厳を漂わせ、少し高圧的な口調で言ったが腰は半分引けている。
「・・・・・・」
相手答えず。
「スタッフに長澤さんの事を聞いていたみたいだけど…」
と追い討ちをかける。
「ただ本物を見たかっただけです…」
オッカケ君以外に弱々しい声で答える。飛び道具などもっていそうにない。僕の心に余裕が生じる。
「彼女も仕事で疲れて帰ってくるのだから、ファンならそっとしておいてあげようよ!ホテルが唯一の休息の場なんだよ。」
青春映画に出てくるようなクサイせりふを僕は臆面もなく吐いた。そしたら
「わかりました。すみません!」
といって彼らは物の数秒であっさりとホテルから消えたのだった。
あまりにも、あまりにもあっけない結末でこの話は幕を閉じるが、彼らはその後二度とホテルへ姿を見せることはなかった。
その後の数十日間胃の痛む思いもせず平穏無事な日々を過ごせたのは、なんもせんむの勇気ある行動のお陰であった事はいうまでもない!
しかし今思うに彼らは何であったのだろう。
ただの純情な行き過ぎた一ファンか、はたまた狂信的なストーカーか?
知る由もないが、唯一言える事は彼らは長澤まさみの熱狂的なファンであり、そして凶暴性は持ち得ていなかった事。
しかしいっぱしの大人が一人の人の顔みたさに(本当にそれだけだったか?)その生活の場に近い所で朝から夕方まで、日がなすることもなくじっと待ち続けるということは尋常ではない。
話は変わるが“涙そうそう”の長澤まさみの演技はなかなかのものであった。
容姿と人気だけが先行する女優が多い中、久々に登場した実力派だ!
“涙そうそう”観るべし!
前回妻夫木さんについて書いたので、今回はその妹役の長澤まさみさんについて書いてみたい。
彼女はまだ今春高校を卒業したばかりの初々しさ。
印象はフツーの女の子だが、美人で背が高くテレビで見るより格段に細い。
普段はイマドキの女の子の普通の格好をしていて、ホテル内ロビーをうろうろしていても誰も女優さんだとは気づかないが(まさかこんなしょぼいホテルに芸能人がいる訳がない!と皆思っている)さすがにその容姿は人目を引くと見えて、すれ違う人は男女の区別なく振り返る。
彼女に関してのエピソード?があるので紹介したい。
撮影に入ってから2週間位過ぎたあたりか、デイゴホテルに“長澤・妻夫木が映画の撮影で宿泊”のウワサが巷に流れ始めた頃。
目つきの異様な青年がロビーをうろつき始めた。
毎日のように朝来て夕方近くまで椅子に座ってボーっとしたり、暇をもてあますようにロビーのパソコンをいじってみたり、なんとなく不気味である。
慣れてきたのか何日かするとホテルスタッフに
“長澤まさみ”は「今ホテルにいるか?」だの「今日はどこに行っているの?」
「何時に帰ってくるの?」
などと聞くので、そこで初めて《長澤会いたさ》の熱狂的(狂信的?)なファンだとわかったが、原則的にホテルロビーはいわゆるパブリックスペースを標榜しているため、実害がある訳ではないのでめったやたら客を追い出すわけには行かない。
しばし《要観察》とスタッフに指示したが、《もし、接近遭遇したら…》を考えると気が気ではない。しかし彼の登場時間は比較的朝遅くいつも本人が出かけた後で、我々はこの習慣が変わらぬ事を祈るのみだ。
やはり物事はいつもうまくいくとは限らない。
彼(以後オッカケ君)が忍耐強く待ち続け一週間が過ぎた頃、思いが通じたのかその日の長澤さんは仕事がお休みでお部屋で休養中。いつものようにオッカケ君はロビーに出勤してきた。一瞬にして緊張感があたりに立ちこめ不穏な空気が流れる。
そして悪いことにお昼頃、長澤さんがホテルのレストランで食事を取りたいとのオーダーが入る。
慌てふためくスタッフ!つっ…ついに接近遭遇か?
熟考の末ここは正直にマネージャーに“オッカケ君待機”の事の顛末を伝える。
さすがに百戦錬磨のマネジャー氏は
「良くあることです。じゃあ部屋でごはんを食べさせます。」
と涼しい顔でさっさと食事を部屋に運んでいった。そしてあべこべに
「お気遣いありがとうございます。」
とお礼まで言われてしまった。
何とかこの場は難を逃れたが、又いつ同様のことが起こるかと考えると気が気でない。そして話は思わぬ方向へ…。
翌日、なっナント!オッカケ君が増えているではないか!
同じ目線を持ったセーネンがふたりしてまんじりともせず、ロビーの椅子に腰掛けている。僕は目の前が真っ暗になった。ソーゾーしてみて下さい皆さん!
《これは何とかせねばなるまい》フロント緊急協議会を開く。
「ちゃんとお話して出て行ってもらおう。」
「俺は客だと開き直られたらどうする?」
「飛び道具などひそかに隠し持っていたりして…?」
相手の素性が定かでないと想像だけが膨らみ、オッカケ君A・Bが怪物みたいに見えてくるから不思議だ。
誰かが何らかのアクションを起こさねばならないという事で意見は一致するのであるが、「さて、誰が行く」ということになると議論が進まない。
結局、B級ホテルの悲哀でなんもせんむが、ホテル側の意向を伝えに行くことになる。
イラクに向かうマリン兵の如くすごすごと、それでもカラ余裕の笑みをたっぷり浮かべて…
「あなた達最近良くここへ来ているみたいだけど、なぜなのかな?」
ホテルの責任者だという威厳を漂わせ、少し高圧的な口調で言ったが腰は半分引けている。
「・・・・・・」
相手答えず。
「スタッフに長澤さんの事を聞いていたみたいだけど…」
と追い討ちをかける。
「ただ本物を見たかっただけです…」
オッカケ君以外に弱々しい声で答える。飛び道具などもっていそうにない。僕の心に余裕が生じる。
「彼女も仕事で疲れて帰ってくるのだから、ファンならそっとしておいてあげようよ!ホテルが唯一の休息の場なんだよ。」
青春映画に出てくるようなクサイせりふを僕は臆面もなく吐いた。そしたら
「わかりました。すみません!」
といって彼らは物の数秒であっさりとホテルから消えたのだった。
あまりにも、あまりにもあっけない結末でこの話は幕を閉じるが、彼らはその後二度とホテルへ姿を見せることはなかった。
その後の数十日間胃の痛む思いもせず平穏無事な日々を過ごせたのは、なんもせんむの勇気ある行動のお陰であった事はいうまでもない!
しかし今思うに彼らは何であったのだろう。
ただの純情な行き過ぎた一ファンか、はたまた狂信的なストーカーか?
知る由もないが、唯一言える事は彼らは長澤まさみの熱狂的なファンであり、そして凶暴性は持ち得ていなかった事。
しかしいっぱしの大人が一人の人の顔みたさに(本当にそれだけだったか?)その生活の場に近い所で朝から夕方まで、日がなすることもなくじっと待ち続けるということは尋常ではない。
話は変わるが“涙そうそう”の長澤まさみの演技はなかなかのものであった。
容姿と人気だけが先行する女優が多い中、久々に登場した実力派だ!
“涙そうそう”観るべし!
2006年09月17日
女詐欺師2
女詐欺師の話はまだ続きがある。まだ女詐欺師1をお読みでない方は、是非ご一読いただいてから本文に入ることをお勧めする。
さて、女詐欺師1をご拝読いただいた皆さんは、ある疑問が生じたことと思う。それは、この女詐欺師が、[301号室にお泊りの新聞記者の田中サン]の存在を、何時そして何処で知り得たかと言うことである。
『鍵を受け取り部屋に向かった彼女は、15分程してフロントに戻り鍵を預け、約束通り銀行へと出かけて行く。』(女詐欺師1より抜粋)
チェックインから出かけるまでのこの15分間がミソなのだ。
実は彼女が出かけてしばらくすると、ノーテンキな私も段々と冷静さを取り戻しモーレツに不安になってきたところへ、当の田中サンがフロントへ現れた。
「お知り合い女性が来てましたよ…ね?」 恐る恐るたずねる私
「あ~あのひとね。あれ僕の知り合いじゃないよ。なんか誰かを探してたみたいなんだけど、見つけられずに途方にくれてたなー。他の部屋もノックしてたみたいだな。僕の名前?う~ん、そうそう教えた教えた!そう職業も教えたかも?だって、探している相手の名前しか知らないらしくて、それが僕じゃないことを証明する為にね。しかし感じよかったよ!」
やられた!!
空白の15分の間にしっかりカモ探して仕込んでいたわけね!
手当たり次第に各部屋をノックしまくってた訳ね!
初めての詐欺受難経験に目の前が真っ暗になり、自己嫌悪に陥ったがそれでも、そんな事ないだろう、絶対明日笑顔で払いに来るよね!と一縷の望みをつないだが、やはりかなわぬ夢であった。
その後数週間職場で笑いものにされたのは言うまでもなく、わずかに芽生えつつあった仕事に対する自信も、人を見る目も、秋の大型台風に葉っぱを剥ぎ取られた”くすのき通りのくすのき”の如く、消し飛んでしまった。
この女それだけでは終わらない。
B級ホテル女詐欺師事件もほとぼりが冷め、僕の職場での信頼も自信も回復の兆しを見せ始め平穏な生活を送っていたその矢先。
人相の悪い男がホテルへ登場
「このヒト知ってますね?」 にっくき女の写真を持って現れた。
聞けばこの女、どこかでドジ踏んで捕まったのだ。それはそれでいい。
むしろいい気味だ! ザマーミロ! しばらく入ってろ!
しかしナ…。余罪追及されて《俺とのコト》吐くなよ!このヤロ~。
テメーもプロなら刑事にどんな仕打ちを受けようが、拷問されようが、
歯を食いしばって耐え「初犯です!」で押し通すのが筋ってモンだ!
おかげで人相の悪い刑事に(被害届け)を提出しなかったイヤミを言われながら、数時間もの事情聴取を受ける羽目になり、心身ともに疲れ果てた。
何よりも《忘れかけていたあの事件》が皆の記憶に戻ったのが痛かった。
そして2万円も返ってこない…。
完
さて、女詐欺師1をご拝読いただいた皆さんは、ある疑問が生じたことと思う。それは、この女詐欺師が、[301号室にお泊りの新聞記者の田中サン]の存在を、何時そして何処で知り得たかと言うことである。
『鍵を受け取り部屋に向かった彼女は、15分程してフロントに戻り鍵を預け、約束通り銀行へと出かけて行く。』(女詐欺師1より抜粋)
チェックインから出かけるまでのこの15分間がミソなのだ。
実は彼女が出かけてしばらくすると、ノーテンキな私も段々と冷静さを取り戻しモーレツに不安になってきたところへ、当の田中サンがフロントへ現れた。
「お知り合い女性が来てましたよ…ね?」 恐る恐るたずねる私
「あ~あのひとね。あれ僕の知り合いじゃないよ。なんか誰かを探してたみたいなんだけど、見つけられずに途方にくれてたなー。他の部屋もノックしてたみたいだな。僕の名前?う~ん、そうそう教えた教えた!そう職業も教えたかも?だって、探している相手の名前しか知らないらしくて、それが僕じゃないことを証明する為にね。しかし感じよかったよ!」
やられた!!
空白の15分の間にしっかりカモ探して仕込んでいたわけね!
手当たり次第に各部屋をノックしまくってた訳ね!
初めての詐欺受難経験に目の前が真っ暗になり、自己嫌悪に陥ったがそれでも、そんな事ないだろう、絶対明日笑顔で払いに来るよね!と一縷の望みをつないだが、やはりかなわぬ夢であった。
その後数週間職場で笑いものにされたのは言うまでもなく、わずかに芽生えつつあった仕事に対する自信も、人を見る目も、秋の大型台風に葉っぱを剥ぎ取られた”くすのき通りのくすのき”の如く、消し飛んでしまった。
この女それだけでは終わらない。
B級ホテル女詐欺師事件もほとぼりが冷め、僕の職場での信頼も自信も回復の兆しを見せ始め平穏な生活を送っていたその矢先。
人相の悪い男がホテルへ登場
「このヒト知ってますね?」 にっくき女の写真を持って現れた。
聞けばこの女、どこかでドジ踏んで捕まったのだ。それはそれでいい。
むしろいい気味だ! ザマーミロ! しばらく入ってろ!
しかしナ…。余罪追及されて《俺とのコト》吐くなよ!このヤロ~。
テメーもプロなら刑事にどんな仕打ちを受けようが、拷問されようが、
歯を食いしばって耐え「初犯です!」で押し通すのが筋ってモンだ!
おかげで人相の悪い刑事に(被害届け)を提出しなかったイヤミを言われながら、数時間もの事情聴取を受ける羽目になり、心身ともに疲れ果てた。
何よりも《忘れかけていたあの事件》が皆の記憶に戻ったのが痛かった。
そして2万円も返ってこない…。
完
